MPEG-4ソリューション: 2002年7月アーカイブ

本格的MPEG-4コンテンツ制作環境の紹介ができるようになった。
MPEG-4では映像の配信だけでなく、ユーザーサイドの選択を考慮したコンテンツ作りが行えるシステムとなる。
コンテンツ内容の効果測定や、関連情報のリンクなど、従来では不可能だった動的映像コンテンツの作りこみが可能だ。
もちろん、今まで再生環境に合わせてさまざまにSMILなどで作りこんでいたインタラクティブなコンテンツも、MPEGF-4なら、プレイヤーやOSに関係なく、ストリームベースで再生可能になるのだ。

現時点で手に入り、稼動する最初のMPEG-4トータルオーサリング環境はEnvivio社だけである。
「エンビビオ」の会社概要は、母体が「フランステレコム」のR&D、特にMPEG-4に関わる開発をしてた部隊がフランステレコムの出資を受けてスピンアウトし、独立したエンビビオという会社になった。会社はサンフランシスコにある。
エンビビオの優位性は、実際にMPEG-4で商品がきちんと、パッケージというかたちでもう提供できているところだ。エンビビオは価格も決まって、商品も出荷できているのが、まず1つめのポイントだ。
2つめは当然エンビビオのコアコンピタンスとして、MPEG-4の部分でのインタラクティブ性を使ったコンテンツを作成できるオーサリングのツールだ。ちなみに、この部分では彼らのパテントの技術をふんだんに取り込んで商品化している。

ブロードバンドビジネスに向けて、エンビビオがプライオリティーを高く展開を図っているのが、視聴する側のクライアントソフトへの対策だ。
現状はすべてソフトウェアのプラグインで提供され、リアルネットワークスのリアルプレイヤーと、クイックタイムのプレイヤー、これに関しては、もうサポートできている。あわせて、近々、Windows Media Playerへのサポートも同様に完了する。
そこで、いわゆるインターネットストリーミングの3大プレイヤーに関しては全てサポートできるので、裾野はかなりカバーできる。
クオリティーは、大画面で鑑賞したり、もしくはブロードバンドで様々な公共機関などに設置したりというかたちで、MPEG-4が使われてくるので、この場合には当然、「専用の箱」、セットトップボックス(STB)で受けたいというニーズもある。ハードウェアのシグマデザイン社製MPEG-4デコーダーチップを搭載し、すでにSTB製品もできている。

さらに、リアルタイムのライブ・エンコーダー製品としてもリリースしている。
従来ではMPEG-2を使って、ネットワークに負荷をかけ、コストが非常にかかる映像配信したり、衛星を使ってMPEG-2で配信していたが、MPEG-4で帯域を劇的に落とすことができる。今まで衛星で6Mとか4Mの帯域を使用して1チャンネル映像をサービスしていたところに対して、MPEG-4の1Mbpsぐらいのレートでは、同じ帯域幅で、4チャンネル映像を流せる。そういう部分でのメリットは大きい。
また、MPEG-4では、著作権の保護への対応もエンビビオではすでに実績もあり、対応できるメリットもある。
MPEG-4の規格を策定する「ISMA」でもエンビビオは中心的なメンバーとして活動している。特にMPEG-4のチェックをするためのコンテンツで、エンビビオのエンコーダーで作ったコンテンツを使って、他のメーカーのデコーダーをチェックしている位だそうだ。
ISMAスタンダードイコールエンビビオのように言われている状況こそ、MPEG-4のマーケットにおけるエンビビオのポジションを端的にあらわしているだろう。

さて、MPEG-4コンテンツ制作で重要なのはインタラクティブ性の持ったコンテンツを作れる部分だ。
ラインナップを見てみよう。

■「ブロードキャスト・スタジオ」は、オーサリングのツールだ。
ビデオ以外にさまざまな静止画像、テキストとか、アクションをつけたフラッシュ・コンテンツを利用し、インターラクティブMPEG-4が作成できるソフトウェアだ。GUIのわかりやすい環境で、コマンドコードの入力もほとんどなく、だれにでも操作できるだろう。

■「ライブ・エンコーダー」では、カメラや、VTRといったビデオソースを、キャプチャーボード経由で取り込んで、リアルタイムにMPEG-4のファイルとして格納することもできるし、ネットワークに対してマルチキャスト、ユニキャストで配信することもできるソフトウェアだ。
実際、2Mbpsのクオリティーで、フルD1の解像度までサポートできるので、DVDのクオリティー程度であれば、もうリアルタイムでMPEG-4に変換して配信までできる。

■「エンコーディング・ステーション」は、オフラインのエンコーダーで、ライブと違って、AVIの形式とか、MPEG-1もしくはMPEG-2とかのファイル形式で、ソフト的に取り込み変換できるというオフラインのトランスコーダーになる。
トランスコーダーはCPUのパワーに依存する。もとの素材にもよるが、リアルタイム以上のスピードで、トランスコードできる。もしくはクオリティー重視の場合にはダブルパスというような設定もできて、エンコードを2回かけてMPEG-4のファイルを作成するというようなところもできるソフトウェアになる。

■「ストリーミング・サーバー」は、配信用のサーバーのソフトウェアだ。MPEG-4のファイルを格納して、クライアントからの要求に応じて、同時に500ストリームまで配信できるというサーバーソフトウェアだ。
現状、対応OSは、WindowsとリナックスのOSをサポートしている。
ユニークなところでは、リアルネットワークスのリアルサーバーへ、プラグインという製品を用意しているので、ストリーミングサーバーの既存の環境だと、リアル・サーバーを使ったインフラが半数以上のシェアを占めているので、その環境と混在させてそのまま使えるようになる。

結局、MPEG-1~2と、MPEG-4は全然違うものだ。
MPEG-1~2は、コーデックそのものが、いかに効率高く映像をデジタライズして圧縮するという演算式で、いわゆるDCTといわれている演算式にMPEG-1、MPEG-2の価値があり圧縮をかけている。圧縮したコンテンツは確かにDVDで利用できたりするが、結局映像そのものが主体であって、それ以外の何者でもない。
MPEG-4は違う。映像を高効率で圧縮をかけるという非常に優れた技術的な面が強調されているが、重要なのはインタラクティビティーだ。時間軸と空間軸をMPEG-4の規格の中で管理できるという部分、これが非常に重要で、何ができるか、どう使うかによってビジネスモデルが出来上がってくるはずだ。
例えば、それが映像のコンテンツがあって、まわりにオブジェクトが貼り付けられ、そのオブジェクトに興味を持つとURLのリンクに飛んで行って、そのCDを買うとか、DVDを買うとかECのビジネスモデルにもなるし、e-ラーニングでも、映像にパワーポイントなどのオブジェクトを貼り付けて、それが時間軸で切り替わっていけば、学校の授業のライブラリーになり、セミナーだったらセミナーのライブラリーをSMILより簡単に作っていけることになる。
SMILも同様のことができるが、やはり技術的な弱点がまだまだある。SMILは圧縮方式ではないから、オブジェクトをどうやってリンクさせるかというスクリプトだけの世界になる。つまりオブジェクトの関連付けはできても、圧縮はしてくれないので、複雑なオブジェクトを貼りつけたSMILをストリーミングするのは、極めて難しいことになる。

純粋なMPEG-4トータルソリューションでとして、エンビビオは、蓄積映像(アーカイブ)や放送メディアだけでなく、インターネットや移動体通信でのマルチメディアコンテンツの伝送、あるいはインタラクティブ通信への利用に最適な広い互換性のあるフォーマットの制作環境を提供してくれた。

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