DreamCraft Staff: 2001年10月アーカイブ

ブロードバンドネットワークの高速コンテンツ配信サービス

 

インターネットでエンドユーザー側の回線は安価で広帯域になって喜ばしいが、契約スピードが向上したほどには実際のサービス速度を得られない現実がある。
年々高性能になるコンピュータ、そして高速のラストノード回線。
しかし、インターネットのサービススピードが向上しない。 いったいどうしたのだろう。

 

実は速い回線が、より多くのエンドユーザーをオリジナルサーバーへ導いてしまうため、サーバー付近のファーストノードにあるネットワーク回線が相対的に遅く、不安定になり、つながりにくい現象を助長しているのだ。短時間に集中するサーバーへのアクセスに耐え切れなくなるとサーバーダウンの原因になる。有名アーティストのコンサートや、期間限定の申し込みなどサーバーダウンが報道されるケースが増えてきている。

オリジナルサーバーへ集中するしかない環境では、改善の方法が高額なバックボーン回線の増量や、サーバー多重化による負荷分散など更なる投資が必要になる。これは平常時にオーバークォリティを覚悟しなければならない。
この状態を効果的に改善するにはエッジキャッシュサービスを利用することだ。
アカマイは、エンドユーザーの近くからデータを配信し、コンテンツ配信のバランスをコントロールすることができるので劇的にオリジナルサーバーでのピーク需要の扱いが改善される。
弊社(FourTwoTwoCompany)が取次をはじめた世界規模で高品質な配信を約束してくれるアカマイ社(アカマイ)は、エッジサーバーでコンテンツデリバリーネットワークサービスを行う老舗である。CNNをはじめマスメディア各社、Apple、IBM、Microsoft、Yahooなど、世界の人気サイトがそろってアカマイ社を利用するには、パフォーマンスと安心感を両立した実績にあるのだ。

エッジキャッシュサービスとは、ファーストノードにあるオリジナルサーバーコンテンツをエンドユーザーが加盟しているプロバイダーの最も近くにあるキャッシュサーバーへコンテンツを分配して、エンドユーザーへ直接提供するサービスのことである。
このときのキャッシュサーバーへの配信をコンテンツデリバリーと言い、アカマイ社の最も得意なテクノロジーなのだ。
世界中に数万台に及ぶエッジキャッシュサーバーを有するアカマイ社では、メジャーなインターネットプロバイダーには、ほとんどと言って良いぐらいの配置実績を持つコンテンツデリバリーサービスのメジャーブランドだ。しかもエッジキャッシュ間のコンテンツデリバリーには衛星などの独自データ回線を利用してミドルノードの混雑をバイパスすることができる。また、複数の有効なルートを利用したアレイ転送のような能力も有してハイパフォーマンスを保証している。
例えばアメリカから最初のエンドユーザーが東京にあるオリジナルサーバーへアクセスを試みた場合、2人目以降のエンドユーザーは、すべてキャッシュで足りてしまうので、ファーストノードへのアクセスは差分しかなくなり、負担は一気に軽減されるわけだ。
ニューヨークでのテロ事件を報道するメディアでは、インターネット始まって以来のアクセス集中が発生したが、アカマイ社のサービスによってサーバーダウンを救われたのは関係者では有名な話だ。
それでは、アカマイ社のサービスの中からFreeFlow Streamingの内容を見てみよう。

 

FreeFlow Streaming
最高品質のストリーミングメディアを確実に配信する世界標準
品質が悪いストリーミングメディアをじっと我慢して見続ける人がいるだろうか?映像が止まったり、音声が途切れるようなことがあると、視聴者を失うことになるのは明らかだ。これを避けるには、世界で最も信頼性があり、高品質なストリーミングメディアを配信するアカマイのFreeFlow Streamingが必要だ。
FreeFlow Streamingは、ライブ、オンデマンド、および24時間体制のストリーミングメディアコンテンツを、インターネットのエッジから放送品質を保持したまま配布する。ライブのスポーツイベント、映画の予告、音楽ビデオ、または会社案内など、どのようなストリームも完璧に配信されるので、Webサイトのビジターが楽しめるコンテンツの配信が可能になる。

 

FreeFlow Streamingの動作

FreeFlow Streamingは、アカマイが特許権を保有するSteadyStreamSM テクノロジーと世界最大のフォールトトレランスを備えたネットワークを利用して、ライブおよびオンデマンドのストリーミングメディアを配信する。SteadyStreamでは、オリジナルのストリームを、エンドユーザーの近くにある数千台ものアカマイのエッジサーバに転送する。その結果、常にパケット損失のないストリームがインターネットエッジから配信される。

ライブストリーミングの場合:パケット損失による映像の乱れを防ぐため、SteadyStreamは元のストリームを複数のストリームに分割し、それをアカマイのエントリポイントからインターネットエッジにある最適なストリーミングサーバに複数の経路を経由して配信する。これらのストリームがサーバからエンドユーザーに配信されるときには、結合されてオリジナルと同等品質のストリームとして復元される。
オンデマンドストリーミングの場合:ストリーミングが実際に開始される前に、SteadyStreamはストリームをストレージからダウンロードして、インターネットエッジにある最適なアカマイのストリーミングサーバに転送する。そしてこれらのストリーミングサーバがオリジナルと同等品質のストリームをエンドユーザーに配信する。
優れたスケーラビリティ:アカマイは、衛星およびブロードバンドプロバイダを含む世界中の主要なインターネットバックボーン、キャリア、およびサービスプロバイダのデータセンターとPOP(Point of Presence)に、数千台のサーバを配置している。このようなネットワークによって、FreeFlow Streamingはコンテンツに対する幅広い要求を満たすことができるようになっている。
最高の信頼性:アカマイの大規模でフォールトトレラントな負荷分散型ネットワークアーキテクチャがベースになっているため、FreeFlow Streamingに対して要求が厳しすぎたり、ライブイベントが大きすぎるということはない。ニーズに応じて、数十万のストリームでも同時に配信できるだけの容量を確保できる拡張性がある。
強力なパフォーマンス:FreeFlow Streamingは、視聴者が世界のどこにいてもその近くのサーバにストリームが配信される。コンテンツはインターネット上の輻輳を迂回してストリーミングされるので、パケット損失や遅延は大幅に削減され、エンドユーザーはより高い満足感を得ることができる。

FreeFlow Streamingの将来
フォーマットおよびエンコーディングの幅広いサポート:FreeFlow Streamingは、ナローバンドおよびブロードバンドの両方で使用できるエンコーディングフォーマットとして、Apple® QuickTime™、Microsoft® Windows Media™、およびRealSystem®の3つのフォーマットをサポートしている。
特許権を持つテクノロジー:FreeFlow Streamingは、アカマイが特許権を保有するテクノロジーを利用して、一貫した高品質のストリームをすべてのエンドユーザーに配信します。インテリジェントなルーティングにより、ストリームはインターネットの輻輳を迂回する経路を使って転送される。また、各視聴者に最適なストリーミングサーバをマッピングする機能にも、アカマイが特許権を持つテクノロジーが組み込まれている。アカマイの負荷分散型ネットワークなら、ユーザリクエストを十分に満足させるストリーミングサーバを確実に割り当てることができる。
包括的なレポーティング:アカマイでは、使いやすくてカスタマイズ可能なWebベースのレポーティングツールを用意している。このレポーティングツールを使用すると、視聴者の利用状況と行動についてのリアルタイムな分析と履歴の分析が可能になり、投資回収率の評価に役立つ。視聴者の統計情報は、地域別、ビットレート別、およびストリームフォーマット別にソートできる。
エンドツーエンドのソリューション:アカマイは、プロフェッショナルな制作機器とスタッフ、信号収集、およびエンコーディングサービスなどによって、お客様のストリーミングメディアプロジェクトを、その開始時から終了時までサポートしている。
Appple、 Windows、 McAfeeや、TowerRecordsなど、多くの大規模通販サイトの効率的な運用にも利用されるアカマイ社は中立的でグローバルなコンテンツデリバリネットワークを提供してくれるありがたい存在だ。
 
高品質の動画伝送が可能なブロードバンドネットワークにふさわしい、高品質なエンコードについて考えてみよう。

ポイントは品質と、自動処理化だ。

 

従来の侠帯域のナローバンドネットワークでは、小さい貧弱な映像しか送れなかったために、品質を考える以前の状態であったが、最近ではHDIPネットワークで流すなど、高帯域伝送の勢いが盛んだ。

広帯域で多くの情報が送れるようになると品質への要求も当然やかましくなってくるものだ。

 

ここで、パソコン画面で見る高品質ビデオを考えてみるために、逆のケースから考えてみたいと思う。つまり、パソコン画面で作成された画像をNTSCビデオに変換する際の信号帯域の違いを思い出してほしい。パソコンの白(RGB256,256,256)信号はそのままではテレビジョンの規格である100%の白信号を大きくオーバーしてしまう。パソコンの黒(RGB0,0,0)信号ではIRE0%の黒よりも沈んでしまう。これをダウンコンバーターなどで上下の帯域を圧縮することで、基準信号内で最良の色再現を行っている。

 

よくコンピュータグラフィックの画面をDVDのメニュー画面などで利用するとき、気をつけないと信号をはみ出した素材を作ってしまう。このような信号の守備範囲の違いを意識して、ビデオ信号をパソコンの画面で眺めてみると、どうも全体的に暗い印象の画面が多くなってしまう。つまり、より再現能力のあるはずのコンピュータ画面での再現にフィットしていないのが実情だ。多くのエンコーダーはカラーコレクションを含むプリプロセスの機能が貧弱なのだ。
また、テレビ画面にはアンダースキャン、オーバースキャンといった見切れの状態を示す言葉があるが、コンピュータへ取り込んだ画面は映像信号の全体が丸見えになっている。
場合によってはVITCのシグナルや、編集時のDVE処理の淵がバレていたり、不都合なケースが多くある。

これらの問題を高品質に解決するハイエンドエンコーダー2機種を紹介しよう。

 

初めに「Anystream」によるエンコードを試してみる。

ハイエンドシステムとしてICEボードを利用したプリプロセスが売り物だが、基本的にはソフトでの処理を前提としたシステムだ。

エンコードはサーバーの機能として行うので、クライアントソフトを利用したネットワーク上からの作業となる。もちろんサーバー上でもクライアントを動かすことはできる。

ビデオ入力はSDIによる高品質なデジタル処理をリアルタイムで可能にしている。

デッキコントロールもバッチ機能を備えて、正確なクリップ制作に対応している。

多くの処理を「ジョブ」として複数登録していくことで自動的に実行できる配慮がされている。

 

最大の特徴はOMFフォーマットに対応している点だろう。これはAvidの提唱するデジタルビデオの共通フォーマットで、ネットワークにつながったノンリニアシステムや、UnityなどのSAN(ストレージエリアネットワーク)システムのデータを利用してエンコードを行うことができるのだ。
対応入力ファイルフォーマットは、
AvidOMF/Media100/DV/AVI/Mpeg-1/Mpeg-2/QuickTimeが上げられている。
大きな特徴がプリプロセス機能だ。
プレビュー画面の中でプロセスのかかり具合を分割して比較検討できるので、良好な画質を選ぶのに大変やりやすい。プリプロセッシングの種類は、ノイズリダクション、カラーコレクション、スムージング等の他にクロッピング、ダウンサイジングといった機能とデインターレース、インバーステレシネやオーディオフィルター、著作を主張するウォーターマークの挿入も含まれる。
エンコーダーで対応する出力ファイルフォーマットは、

RealVideo/WindowsMedia/QuickTime/WAV/Mpeg-4/Mpeg-4(PacketVideo)/MP3/AvidOMF/Media100/Mpeg-2/Mpeg-1/DV/AVI/AIFFの出力が可能だ。

オプションでDVDで利用するMpeg-2のファイルへもエンコードが可能だ。
特に目立つのはPacktVideoだ。PacktVideoは次世代携帯電話であるNTTドコモの動画配信サービス「FOMA」で採用され実装試験をはじめているところだ。
これらのデータは必要な配信サーバーへ転送することまで自動化することができる。
すべてを設定した「ジョブ」をどんどん登録していくとサーバーが同時進行で複数処理を行っていく。

多くの素材を毎日エンコードする作業なら自動化することで、その効率を上げていこうとするのが「Anystream」のアプローチだ。

 

次にハードウェアを主体としたGVG社の「Aqua」だ。

放送機器では実績のあるGrass Valley Groupが広帯域配信の品質を極める目的でデビューさせる「Aqua」は、安定した動作を目指して徹底したハードウェアへのインプリメントでNAB2001で登場した。
ケースボディへ電源ユニット、Ethernetユニット、そしてCaptureユニットとEncoderユニットとの組み合わせで構成される。

最小構成では1枚のCaptureユニットと3枚のEncoderユニットから、最大構成では2枚のCaptureユニットと10枚のEncoderユニットまで組み合わせが可能だ。エンコードは完全に分離したハードシステムなので、パラレルで動作して高密度処理が可能になる。

操作自体はWebブラウザーからコントロールできるので設置場所を問わない。
取材時現在では日本に実機が存在しないので、詳しくはデモができるようになったらレポートをお届けしよう。

エンコーダーも放送規格の耐久性、安定性を要求される時代に入って、システムとしての位置付けをますます強くしていくだろう。

 

オンデマンドのエンコードはインデックス機能を持ったメタデータとの組み合わせを考えていくことが必須だからだ。

品質の上がったエンコーダーで映像を楽しめる時代がすぐそこまできている。

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