ストレージソリューション: 2001年9月アーカイブ

データ容量の爆発的増加を向えるブロードバンドネットワークに向かい合うための下準備をしておこう。

ある調査によるとデータストレージは2000年を1とすると、三年後は、大体4倍から7~8倍ぐらい、それから2005年が、さらに7~10倍くらいのな市場規模になると考えられている。
現在米国ではデータ量の爆発的に増加している。どこの企業でも、容量、特に映像を扱う所が、ストレージの爆発に悩んでいるのだ。
従来ではサーバーに直接接続したストレージがメインだ。だからそのストレージが足りないと、またストレージを足す。で、またストレージを足すと、いうような形をとっていたが、実はそれではすでに追い付かない時代がきている。サーバー接続のストレージでは、サーバーのCPU能力がストレージの容量をコントロールしきれなくなるのだ。アメリカでは1年以上前から深刻な問題になっている。一度爆発をはじめるとコントロールは困難だ。
一つの要因はシステムの多重化などに伴い、同じデータを複数のホストで持ち合うことが上げられる。大規模データの共有は重要なテーマなのだ。
ここで、パフォーマンスを考えてみよう。
従来の感覚的にはネットワークで共有したディスクと、直接SCSIなどで接続したハードディスクでは比較にならない位のスピード差が有ると考えてしまう。
ネットワーク共有ディスクには、単にデータを渡しあうための中継の役割が相当と考えていた。実際の作業は本体のディスクへコピーしてから利用するのだ。確かにSCSI接続のディスクの方が快適だったからだ。
最近になってこの認識が変わっていく状況が出てきている。
ハードディスクの例としてSCSIの転送スピードの進化は、40Mb/sの時代から80Mb/sへ、そして160Mb/sへと倍々の能力を備えてきている。
一方、ネットワークの転送スピードは10Mb/sから10倍の100Mb/sへ、そしてさらに10倍の1Gb/sの時代へと突入しようとしている。
ネットワークのスピードがSCSIを超えようとしているのだ。
従来でもSAN(ストレージエリアネットワーク)で使用されるFC(ファイバーチャネル)は高いパフォーマンスはあっても、余りにも高額で一般的な利用には不向きであった。
ここで、価格が下がって快適なSANの環境を紹介しよう。

ATTO社のFCは高性能システムに定番とも言える安定した製品だが、気がつかない間に大幅に価格が下がってきて手の届きやすいところまで来ていた。
ATTO社の製品はMacintoshに対応した製品がラインアップされているので、今回はビデオ編集でTARGA Cineと、DVDオーサリングのSONIC DVD Createrを接続してみた。

 

FCのディスクはMedia社のFC用ドライブを利用した。
実際の接続にはパソコンのPCIスロットへFCインターフェースカードを設置してDサブ形状のコネクターの付いたケーブルを取り付ける。

ネットワークで言うハブ機能を有するFCスイッチにそれぞれのケーブルを接続し、同様にFCディスクをケーブルでスイッチに接続する。
ソフト的にはFCのマネージメントソフトをインストールして複数のPCから同じファイルを同時に編集しないように制御する。
ノンリニアの編集で非圧縮キャプチャーを行うTARGA Cineに接続するハードディスクは高速のディスクを要求されている。これをネットワークに繋がるディスクで軽々行える様は、感動的ですらある。標準で採用されているIDE内蔵ディスクなど比較にならないぐらい圧倒的に早い。
また、DVDへの利用に付いて、MPEG2へのエンコードを行う場合、データファイルからのトランスコードを行うよりもSDI経由でリアルタイムでエンコードする方法を選んだ。どちらのデータも同じディスクに保管されている。
非圧縮で編集済みの映像を別のシステムからリアルタイムでエンコードを試みたが、何も問題なく行うことが出来た。
大切なデータを中心にネットワークシステムを考えることは、同時にパーソナルコンピュータが持ち合わせているハングアップの恐怖からファイルシステムを切り離すことでもあるのだ。データ管理のファイルシステムを維持するだけを目的にしたネットワークストレージシステムの安定性は、様々な作業を行うパソコンのそれとは比較にならない安心な場所だ。
データ共有することを前提のシステムでは今までの発想を変えていくことができる。
従来のパソコンに繋がる周辺機器としてのハードディスクから、ストレージを中心にし、処理に応じた周辺機器としてのコンピュータの接続という考え方だ。
ここで、手軽に導入できるNAS(ネットワークアタッチドストレージ)を考えてみたい。
今回紹介するNASはノーザンライツコンピュータ社のNAS製品だ。

試したシステムは小規模のLinuxベースのストレージだが、容量は単純にディスクを増設することで解決する。
基本的にはNASもコンピュータシステムなのでシステムをインストールすることから始まる。インストール済みの商品も見かけるが、個人的には自分で確認できることは好ましく感じる。
インストール自体はCD-ROMから起動してIPアドレスを指定するだけで開始できる。画面にはしばらくLinuxのインストール作業が表示される。
ほどなくインストールが済むとネットワーク上のどのコンピュータからでもWebブラウザーから先に設定したIPアドレスへアクセスが可能になっている。

はじめにネットワークの設定を行い、ファイルサーバーの設定を行えばデスクトップへボリュームをマウントできる。

 

ボリュームはAppleTalkでもWindowsでも共有することができる。

 

プライベートの環境で限られたユーザーだけが利用するならこの程度の設定で利用可能だ。

 

100mb/sのネットワークでもTCP/IPでは実際に転送できるスピードは遥かに低く押さえられる。
ノンリニア編集のキャプチャーは無理だが、DV程度の圧縮なら再生は可能だ。
一度内蔵ディスクでキャプチャーしたものをNASに保存することでFinalCutProで編集に利用することができる。
様々な素材となるムービーやグラフィックをLAN上のグループで共同で利用したり、協調作業を行うことが可能になる。WindowsやMacintoshなど異なるプラットフォームでのデータ共有にも便利に利用できる。
何よりもコンピュータのフリーズに引きずられることがないのは助かる。
変わった使い方として、ストリーミングビデオのサーバーからNASのボリュームをマウントポイントとして指定しておくと、エンコードを終了した瞬間から
ネットワークから閲覧可能な操作が可能だ。
ネットワークのスピードが上がって、簡単で安価に導入できるNASの存在は注目に価する。コンピュータの導入より簡単なネットワークストレージとしてぜひ1台試していただきたい。

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