エンコーダソリューション: 2002年10月アーカイブ

 

DVカメラに装着できるエンコーダーがある。ネットワークパックKA-DV300は、DVカメラGY-DV300の底にフィットする設計で、DV記録と同時にWindowsMediaでも記録、配信が可能になっている。内部にはLinux搭載のワンボードコンピュータがコンパクトに収まっているのだ。


PCカードスロットにワイヤレスLANのカードを装着すれば、カメラがネットワークに接続可能になるので、遠隔からの操作や、カメラ画像の確認が行える。


ネットワークパックには「Streamproducer」というソフトがカメラ4台の映像を切り替えながら、同時に10セッションの接続ができるサーバー機能を持っている。


組み合わせは多彩だが、ネットワークに接続するための多少知識が必要になる。
その気になれば地球の裏側からでもカメラを操作できるのだ。世界中に配置したカメラの映像を独り占めするのも夢ではない。


今回の環境を説明しよう。
せっかく切り替えができるので、2台のカメラGY-DV300に、ネットワークパックKA-DV300を装着し、ワイヤレスLANカードをセットする。


ワイヤレスLANのアクセスポイントからLANにゲート接続し、有線でStreamproducerをインストールしたパソコンと接続する。このパソコンをサーバーとして、複数のパソコンから接続して映像を楽しんでみる。
設定の方法を見てみよう。
はじめにカメラへセットされたネットワークパックへIPアドレスをセットする。
カメラのMENUボタンを押してメニュー画面が写ったら、SELECTダイヤルを回し、NETWORK PACK CONFIG項目にカーソルを合わせ、SELECTダイヤルを押す。
この要領でIPアドレス、マスク、ゲートウェイを設定する。次に接続を許可するユーザーIDと、パスワードを設定しておく。エンコードなどの設定はネットワーク経由でパソコンから行ったほうが簡単だ。


2台のカメラで異なるアドレスをセットしたら、Streamproducerから、それぞれ呼び出してみよう。先に設定したIPアドレスに対してIDとパスワードを送ると簡単に接続する。


カメラに対してはWebブラウザーからも設定の変更を行うことができる。
Streamproducerから設定ボタンを押すことでも呼び出せるし、Webブラウザー単独でも、カメラにセットしたIPアドレスで、IDとパスワードを要求され、送ると簡単に接続する。
Webブラウザーからの設定を見てみよう。
カメラ設定では、オート、マニュアルの切り替え、カラーバー出力、ホワイトバランス、アイリス、ゲイン、シャッター、ズームなどのコントロールが可能だ。


エンコーダーとしては、エンコードサイズ、ビデオ転送レート、オーディオ転送レート、フレームレートなどを数段階切り替えられる。だが、この選択肢も少なすぎるように感じる。


限られたスペースのエンコーダーで、必然的にパワーも制限されているためかLANで期待するほどの画面が得られない可能性がある。さらに、日進月歩のストリーム環境で、バージョンアップは期待できるのだろうか。本来はDVネイティブの信号をダイレクトに転送する機能までバリエーションの中にあってよいプロダクトに感じる。
ストリームデータとして記録すると同時にテープもスタートするシンクロ機能もあり、バックアップも安心だ。ストリームデータは、カメラ内蔵のメモリーのほか、Streamproducer側のパソコンでも保存が可能だ。
Web画面からもカメラの画像をプレビューできるが、このときはStreamproducerをクローズしておかないと二重接続になるため接続できない。これは不親切だ。


せっかくStreamproducerにサーバー機能があるのだから、起動している場合は参照先を選べるようにするべきだ。


そのほか、VTR部分の操作もWeb画面から可能だが、タイムコードでのキューアップはできない。また、カメラ側のスイッチでCAMとVTRを切り替えておかないと利用できない。それぞれが、まったく違った用途を想定して付けた機能のようで、一貫した操作ストーリーのデザインを感じられない。せっかく遠隔で記録した映像も、確認するためにはカメラ側で操作する人が必要になる。これでは遠隔操作で無人化できない。
高所に取り付けたり、ラジコン操作の飛行船に乗せたり、さまざまなシーンで利用できる機能だが、操作できる範囲が限定されすぎている。思い切って、カメラスイッチ以上の操作をネットワークでは出来るようにしてほしかった。(操作画面も自由に大きく出来るのだから)


さて、Streamproducerではカメラ入力の他にファイルを再生してストリームすることもできる。
単純な操作でストリームを送信できるので、本格的なWindowsMediaサーバーからプルしてビデオジョッキー的に利用するのも面白い。
一見4ソースのスイッチャーの機能を期待するが、ソースを切り替える場合は、一度ストリーム本線から画像が無くなり、再度バッファーをしてからのスタートとなるため、切り替えといった演出はあきらめたほうが良い。ここは「.netServer」が登場したら、その機能を利用して、ぜひ解決してほしいところだ。
映し出される映像は、プレビューとしては十分に役目を果たすものだ。
リモコンのカメラとして期待すると、タイムラグが大きいのでその分を見越した利用が必要だ。
遠隔での監視用途などでは、さらに外部センサーなどのI/Oがほしいところだ。

原稿を入稿間際に飛び込んできた情報で、KA-DV5000という業務用カメラに装着するネットワークパックが発表された。このエンコーダーには更なる改良が行われている。
直接httpでWindowsMediaPlayerから再生可能。
ビデオエンコードレートが最大512kbpsに引き上げ。
画像サイズにSIF(360×240)とQSIF(160×120)を追加
+5Vネットワークカード対応
MPEG4コーデック搭載
Streamproducer配信への低遅延化(18sec⇒2sec)
キャプチャーシーン、シーンファイル機能の搭載
など大きく進歩している。

今回の試用では辛口のコメントが多くなってしまったが、それだけ期待が大きかったことからの落差と考えていただきたい。アイディアはユニークだが、受け入れる作業現場のりサーチを開発者はもっと行ってほしいのだ。機器のご協力をいただいた日本ビクター株式会社様には今後ますますのご発展を期待しています。

マイクロソフト社からWindowsMedia Encoder V9(開発コードCORONA)が登場した。ハイビジョン、そして5-1サラウンドまで対応する高品質なエンコードを可能にしている。いよいよ映像制作のプロの方々が活躍する時代が来ているのだ。


ちなみに、マイクロソフト社では、すでに各地の映画祭でWMV Cinemaを上映。
特に「Wendigo」は、映画館3館でWMV上映された世界最初の映画となった。
また、BMW社との共同で全米25館の映画館で8本のショートフィルムをHD(WMV)で上映している。この映画館のWindows Media Video(WMV)再生設備はそのまま常設され、今後のWMV Digital Cinemaに利用されるとのことだ。
http://www.bmwfilm.com
よく、ビデオ制作のプロの方から、ネットワークによるビデオ配信は、品質の面で否定的なご意見を良く聞かれたが、ブロードバンド時代を迎えた日本の都市部は、世界でも類を見ない高品質なラストワンマイルを有するインフラが用意されている。従来の低画質エンコードでは必要なかったビデオ素材の扱いが、今後、おもちゃではなく本格的な映像機器を要求されるようになってきているのだ。
早速、WindowsMedia Encoder V9を起動してみよう。


分かりやすく親切なウィザードから、素材のトランスコードや、テープデバイスからのキャプチャー、ライブのブロードキャストなど作業を選択できる。


次に取り付けているキャプチャーデバイスを選択する。当然HDなら、それを可能にする周辺環境が必要だ。加えて強力なCPUと、HDなどのハイエンドキャプチャーボードを装備すれば、マルチパスのエンコードを行うことができる。
現在、サンプル映像などの製作工程では、AccomなどのHDディスクレコーダーに1080・24Pで取り込むことで、コマ落ちなどの品質劣化を防いでいる。収録されたデジタル素材をAvid DS/HDノンリニア環境で編集、WindowsMedia Encoder V9へデータで渡す。
また、オーディオはProToolsなどから24bit/96khz 6WAV PCM非圧縮ファイルで取り込み、同じくWindowsMedia Encoder V9へデータで渡す。
残念ながら今回筆者はSDで画面だけ試してみたい。
ウィザードを進めると、従来のWindowsMediaサービスでは、PULL型での対応しかサポートされていなかったが、次世代の.NetServerへの布石が明確なPush型のエンコード・ブロードキャスト(ライブ配信)が用意されている。

さらにウィザードを進めると、配信ポートの設定を行える。
注目したいのはエンコードオプションでVideoに「HD quality」が出現し、Audioには「multi-channel surround sound」が出現するところだ。


レートを確認すると、5393kbpsと確認できる。
この品質のリアルタイムエンコードは、残念ながら筆者のプアなマシン環境(PIII/1G-Dual)では実行できない。
WindowsMedia Encoder V9のメイン画面に到着すると、「Properties」設定のボタンと、「Start Encoding」ボタンがわかりやすく並んでいる。


「Properties」では、ソースの選択から出力、圧縮、サイズ、メタ表記などタブが並んでいる。
インターレス処理されているSD素材なら「Deinterlace」は欠かせない。コンピュータ画面はプログレッシブなのだ。また、映画のテレシネ素材なら24コマから30コマへ調整した余分なコマが圧縮の邪魔になるので「Inverse telecine」も重要な選択だ。


WindowsMedia Encoder V9で追加された重要な方式で、プラグインによる機能追加が上げられる。標準で利用できるフィルターもご覧のとおり、さまざまなケースに柔軟な対応が可能になっている。

また、サードパーティーが自社機材に合わせたさまざまな特徴をエンコード作業に持ち込めるので、余計なプログラムを開発する手間が省け、品質向上に追い風となる。
残念ながら筆者のプアなマシン環境(PIII/1G-Dual)ではこれも選択すると実行できない。(エラー表示)


推奨は(P4xeon/2.4G-Dual)から上の世界で可能な力技なのだ。
「Start Encoding」ボタンを押すと、エンコードが開始される。


シンプルなエンコードを確実にこなしてくれるWindowsMedia Encoder V9は、ポストプロダクションに携わる人、必見のソフトと思う。新しいビジネスチャンスが、この分野には待ち構えているかもしれない。
ハイエンド・エンコードへ興味のある方は、下記までご連絡をお待ちしています。

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