ストリーミングビデオ: 2003年9月アーカイブ

 

MPEG-4とenvivio
Envivioは、MPEG-4関連のソリューションを提供する老舗メーカーとして知られている。研究所レベルでは独自のMPEG-4エンコーダーを国内の多くのメーカーも、有しているが、販売しているのは数少ない。
MPEG-4を利用するために必要なものはエンコーダーだけではない。
レイヤー構造を持つMPEG-4の機能を実現するためのオーサリングツール、そして、配信を実現するサーバー。もちろんライブ中継のエンコーダーや、コンテンツの作りこみにソフトエンコーダーも用意されている。

現在、envivioのMPEG-4ソリューションラインナップは以下のようになる。

? ライブエンコーダー
? envivio Live Broadcaster (ELB)
? ソフトエンコーダー
? envivio Encoding Station (EES)
? オーサリング
? envivio Broadcast Studio (EBS)
? サーバー
? envivio Streaming Server (ESS)

この中で、EES(envivio Encoding Station)は、高品質なMPEG-4ソフトエンコーダーとしてポピュラーな存在だが、今回はH.264に対応したDEMO製品をイノマイクロ株式会社から特別に試用させていただいた。

H.264とは
ここで紹介するMPEG-4 Part10/H.264は、進化系として、従来のMPEG-4/H.263の、主に移動通信での利用を想定したものから30%以上の高品質化を実現、実際にネットワーク経由でDVD品質に迫る映像を提供する事を目的にしている。
今までのMPEG-4との互換性は無いので、パソコンで再生する場合、使用するenvivioTV(再生ソフト)もH.264対応を使用する必要がある。
高画質をうたい文句にしているH.264は、放送業界の注目も浴びている。ネットワークを介した映像ビジネスには中心的なフォーマットになるかもしれない。
H.264は新しいコーデックにつき物だが、やはり強力なCPUパワーを必要とする。
再生もさることながら、エンコードにおいても、品質重視のエンコードには強力なCPUと、実時間の何倍もの時間が必要だ。

操作画面
アプリケーションを起動すると、上部左に素材と、右にエンコード後の画面を同時に表示できる。
左下に素材となるファイルを選択し、出力先を指定するエリアがある。
取り込めるファイル形式はMPEG-1、 MPEG-2,MPEG-4、AVI,QuickTimeと幅広い。
下部中央にはエンコード設定値を記憶し整理できる。
試しに基準となるパラメータをセットしたものを選ぶが、追い込んでいったとき、経験値を蓄積できるので便利だ。
下部右で細かなパラメータを追い込むことが出来る。
エンコードの品質を最大限に上げたいとき必要となる部分で、はじめに従来のMPEG-4と、H.264を切り替えて選択することになる。
注意しておきたいのは、H.264は処理方式が変わるために旧来のMPEG-4と互換性は無いことだ。

さて、実際のエンコード作業を行ってみよう。
エンコードタイプでH.264を選択すると、その下の設定項目が表示される。
H.264のクォリティを最大限にあげたい時にデフォルトの推奨値があるので、初めてのユーザーでも迷う事は無い。
一般的に、平均にはこれくらいのパラメータはセットしておくと一番クォリティは良くなるだろうと設定しているメーカー奨励プリセットだ。
セットアップファイルの中でファーストというのは、エンコード時間が早くて、そこそこのデーターが得られる設定だ。
実際には、これらプリセットの値を決めているメーカー奨励のものだけでなく、ユーザーが設定したパラメータを記憶させることが重要だ。
中央下のにフロッピーマークとディレクトリがあるので、必要な作業分類に応じたセットアップファイルを自分で作って素材に応じた設定値を保存しておくことができる。

設定値の意味
EES(envivio Encoding Station)のH.264バージョンは、H.264/MPEG-4AVCと、他にはスタンダードMPEG-4ファイルが作成できる。
AVCとは、envivio独自のアドバンスドビデオコーデックのこと。
初期設定の組み合わせは、AVCのある無しと、MPEG-4か、H.264にするかどうかを選ぶだけだ。

MPEG-4 とH.264はエンコードのしかたが違う。
従来型との互換性がないため、どちらの形にするか選ぶ必要がある。
MPEG-4はエンビビオではシンプルプロファイルと、アドバンスドシンプルプロファイルの選択になる。
さらにH.264は、その先のいろいろな項目が変わってくる。
その項目が、それぞれのアルゴリズムに応じた設定が出来るわけだ。

さて、出来上がったファイルの品質は、どうだろうか。
同じソフトでMPEG-4と比較してH.264のファイルは明らかに綺麗な映像だ。
1Mの帯域でDVDと同等品質をめざすH.264だけに、一度使い始めると戻れない魅力を感じる。現在はソフトでコードのみの対応で、CPUパワーも相当に要求されるが、専用のデコーダーチップが近いうちに登場すればSTBなどのシステムに有効だ。
次世代のフォーマットとして注目されるH.264は、映像ビジネスのマスターメディアとなれるのか?今後の動向に目が離せない。

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