ストリーミングビデオ: 2002年8月アーカイブ

 


デジタル映像コンテンツの活用にインデックスが有用なことは何度も紹介してきたが、今回登場するのは音声情報からのインデックスを目指すフォトロン社のナレッジ・マネージメント・システム(Power Index)だ。
棚に埋もれている映像情報の活用に、内容の検索を行う機能が求められること自体は必然的なものだ。
「たしか、こんなことを言っていたビデオがあったはずだ。」「あんな表現をしていたケースの詳細を見直したい。」など、探したいときにはビデオタイトルから思い出すわけではないのが人間の記憶というものだ。

問題は、時間軸を有する映像情報のどこに、何が含まれるかを指し示す手がかりをつける作業が、膨大なコストとなって実現を阻んできていることだ。
後処理で人手をかけることは現実的でないのだ。
そこにシステムの自動化が望まれている。

Power Indexは、ビデオコンテンツに含まれる音声情報をデジタイズして解析し、文字情報として内容を検索する機能を提供してくれる。
ナレーターの音声などが文字情報として記録されているので、キーワードなどで検索することや、原稿として閲覧することも可能だ。
しかも、その作業を自動化して簡単な操作で実現するところが特徴となっている。

さっそく製品を見てみよう。
「コンテンツが作りやすい」「コンテンツが見やすい」「システムの拡張性がある」、をコンセプトに開発されたPower Indexは、映像の取込から登録、データベース管理までを自動化し、そのデータをWebビューワから検索/表示することができる。

コンテンツ作成部分を最大限自動化し、コンテンツ作成時の負担を軽減すると共に、映像に対して音声認識/サムネイル/メタ情報等の付加価値情報を与えることにより、単なる映像ではなく「意味のある映像」資産として管理を行うことが可能な映像ナレッジマネジメントシステムになっている。
NGシーンの排除など簡単なビデオ編集や、データベースへ登録するキーワードの列挙など手作業で行う場合も、作業者の大幅な助けになることは間違いない。

システムはエンコーダクライアント/サービスサーバ/ビューワクライアントの3つから構成されている。システム導入後の拡張性及び他システムとの連動を実現すべく、システム全体がMicrosoft社の「.NETテクノロジー」上に開発されており、システム全体としてXML Webサービスになっている事も大きな特徴の一つだ。

<コンテンツ作成支援機能:Power Indexエンコーダクライアント>
動画コンテンツ作成において面倒と思われる、キャプチャ/エンコード作業及びデータベースへの登録作業の支援を行うのがPower Indexエンコーダクライアントだ。最大の特徴はほぼ全ての作業が自動化されることにより大幅な省力化を実現した。

A:自動データ作成機能
ワークフロー機能を使用し、データの取込みからサーバへの登録までを、ほぼ人手を介すこと無く自動で作業を行うことが可能だ。もちろん全ての操作をマニュアルで行うことも出来、さらに操作ナビゲーションにより操作が分からなくなった場合はシステム側で自動支援を行うことができる。

B:画像インデックスの自動生成
インデックス情報として、サムネイルとメタ情報を持てる。サムネイルは、インデックスデータ作成時に自動的に生成される他、任意の場所を指定・登録することも可能だ。メタ情報は、ユーザー情報やDVカメラなどから基本情報を自動的に収集する他、任意事項の入力も可能だ。

C:音声認識
音声認識エンジンとしては、日本語ディクテーションエンジンとして定評のあるアドバンスト・メディア社のAmi Voiceを採用。面倒なエンロール作業を必要とせず、不特定話者に対する音声認識を行うことが可能だ。この音声認識後のテキストをキーとして、任意動画へのランダムアクセスも可能だ。

<サービス配信:Power Indexサービスサーバ>
データの保存及びビューワクライアントへの配信を行う。
拡張性にすぐれたXML Webサービスになっている。


<検索・表示機能:Power Indexビューワクライアント>
データベースに登録された膨大な動画データを検索・表示することは容易ではない。この作業を簡易化するために、ビューワ機能として強力な検索と階層表示機能を実装した。また、サムネイルもしくは再生中の画像と一緒に表示されるテキストデータから任意の再生部分へのジャンプも可能としている。

A:多彩な検索機能
検索機能として音声認識したテキストに対する全文検索のほか、メタ情報検索・日付時刻検索を実装。また、これらの検索機能を組合せて使用することも可能だ。

B:登録データの階層表示
現在登録されているメタデータを階層的に表示する機能により、サーバに蓄積されている情報が階層構造的に見ることが出来る。分類作業をシステム側で支援するという機能だ。

<拡張性:Power Indexアーキテクチャ>
システムの導入にあたって、拡張性は常に求められる要因となる。また、今後のシステム構築においてはXML Webサービス技術を用いた、「繋がるシステム」間の接続を前提としたシステム設計が標準となろう。この様なニーズにお応えするために、Power Indexは、Microsoft.NETテクノロジーを全面採用することにより、システム全体としてXML Webサービスに対応する事を可能にした。このことにより、既存のシステムとの連携を実現するなど柔軟な拡張性をもつことが可能になっている。

<システム標準構成>
エンコーダクライアント:
映像のキャプチャ/編集/インデキシング及びサーバ転送を行う。

サービスサーバ:
Power Indexデータの保存及びビューワクライアントへの配信を行う。

ビューワクライアント:
ASP.NETにて生成されたデータをInternet Explorer上で表示する。

DVコンバータ:
ビデオ信号をDVデータに変換する

※ 上記ソフトウェア/ハードウェアが標準構成(5,000,000円)に含まれる。ビューワクライアントは5クライアントライセンスが付属となる。

開発の進むフォトロン社のPower Indexは、時代の要望するデジタルアーカイブとデータ検索への有効な道筋を示している。音声情報の意味性を考えたとき、映像の内容を指し示す有効なインデックスのひとつとして、これからも高精度化と簡易な操作性を推し進めていってもらいたい。

デジタル・コンテンツの有り様を考えると、後処理で苦労して取り出しているメタデータそのものは、制作段階では存在し、捨てられている情報がほとんどだ。
今後の制作システムには、メタデータの自動リンク機能などの拡張を意識して支援ソフトのデザインをしていただけるよう、メーカーに期待したい。

■Digital Rapids社「StreamZ」
今回紹介するエンコーダー「StreamZ」は、高画質を追求するための、エンコード前のプリ・プロセスを最大の目標にした製品だ。
開発元であるDigital Rapids社は、カナダのオンタリオ州に本社を置く、ベンチャー企業だ。技術スタッフは15年間にわたり放送機器関連の設計デザインの経験を持つプロフェッショナルビデオのスペシャリストだ。
1Uの筺体に収められたパッケージは、専用チップによるハードウェア・プリ・プロセスをリアルタイムに処理する事が可能だ。

■プリ・プロセスとは
NTSC映像の特徴であるインターレース処理を、コンピュータで綺麗に見せるための処理として、動き補償型インターレース除去機能(デ・インターデース)、
3次元ノイズリダクション、インバース・テレシネ、ガンマ補正、などが強力に行える。オーディオの部分はダイナミック・レンジ・コンプレッション、7バンド・パラメトリック・イコライザ等が20bit内部処理で行われる。

動き補償型インターレース除去機能(デ・インターデース)、は、他社にない先進の機能で、エンコードする素材がNTSCの場合、それをそのままキャプチャーすると、フィールドのぎざぎざ感が出てしまう。
Windows Media 付属のエンコーダーや、RealNetworksのエンコーダーソフトにも必ずデ・インターレースという項目はあるが、特に動きの激しい場合に追従しきれなくなり、輪郭がダブル現象が起こる。
StreamZでは、この空間補正を専用チップで強力に行うことができる。

3次元ノイズリダクションでは、ガラスの水槽の中の魚などの映像で、使用すると、水中の透明感や、魚の色艶が映えてくる。
ハードウェア処理になるので、エンコード処理中でも、すべてリアルタイムに反映され、質感の具合を確認できる。

■対応ファイルフォーマット
現在はWindowsMedia 8とReal8、MPEG-1、2(PS)、QuickTime、QuickTime Sorensonに対応しているが、今後はMPEG-4(ISO)、CORONA、Real9に対応予定である。
入力信号だけでなく、一度取り込んだファイルのトランスコードも可能なので、素材の品質管理に大きな可能性を広げるものだ。

■入力フォーマット
入力信号はコンポジット、Y/C、コンポーネント、SDIが各2系統と、DVが1系統も可能になる最上位デジタルモデルと、各1系統入力のアナログモデルまで製品のバリエーションがある。
入力のプロファイルを作成後、エンコーダーの画面でソースの確認が行える。
同時にプリ・プロセスとしてブライトネス、サチュレーション、ヒュー、カラーゲイン、カラーバランスなどが調整出来、リアルタイムに確認もできる。

■エンコード
プリ・プロセスをハードウェアが行っているので、CPUに負荷がかからない上、さらに専用のカスタムチップを2枚搭載してるので、2系統の異なる映像を同時に、それぞれのパラメータで調整したものをエンコードすることができる。

■テスト事例
8月4日、横浜市青葉区の緑山スタジオシティ(TBS緑山スタジオ)で日本オフロードショートトラック連盟(JOSF)主催のJapan Open Nightレースが開催された。
その現場で実際に、1ストリームをレースごとのVODに、もう1ストリームをライブで試合中流しつづけるという、同時作成テストを行った。


実際に運用された株式会社東通の技術開発事業部デジタルコンテンツ開発部の岩田氏から、
「いままで比較したエンコーダの中ではDRCが一番きれいであったし、プリ・プロセスに重点を置いた設計で、将来性を感じる」
とのコメントをいただいた。
当日は気温も高く、中継車の外部テントの環境も苛酷であったが、問題なく作動していたこともお伝えしておきたい。
今後、エンコーダーは中継車の常設機器となる先駆けとして活躍に期待したい。

 


ストリーミングイサーバーを構築する場合、従来は自前でサーバーマシンと、配信フォーマットに合わせたサーバーソフトをインストールする作業が必要だった。
ストリーミングのパフォーマンスを考慮する場合、サーバーOSの環境から、サーバーソフトのチューニングも要求される。
さらに、遠隔にあるサーバー環境で管理を行うためには相応のスキルが必要だった。

今回紹介するStarbak社のTorrent 100は、1Uの薄い筺体に必要な要素全てを盛り込んだストリーミングサーバー専用機だ。
ビデオのフォーマットは、QuickTimeや・Windows Media ASF、WMA、WMV
をはじめ、MPEG-1 (System Stream)、 MPEG-2 (Transport Stream) 、MPEG-3、までマルチフォーマットをサポートする。Linaxベースのストリーミング専用にチューニングしたOSと、扱いやすいWebベースの管理インターフェースで遠隔の管理も容易に行うことができる。
Torrent 100は、接続ユーザー数ライセンス料金を気にしないで利用できるありがたいサーバーなのだ。

Starbak社は、2000年にオハイオ州コロンバスで設立した。現在、従業員50名の会社で、ストリーミングに特化したコア・テクノロジーに強みを持っている。
従来、WindowsMediaサーバーはWindowsOSのサービスとして提供されていたので、ネットワーク上にサーバーを遠隔で置く場合、管理に不安を感じる人もいただろう。
Starbak社ではマイクロソフト社から認定された唯一のオリジンサーバーとしてアプライアンス製品を提供してくれる。

それではTorrent 100の使い勝手を見てみよう。
ネットワークのアドレス設定はシリアルポートからコンソールで行う。
この作業は多少なれが必要かもしれない。
一度ネットワークからアクセスが可能になると、後はすべてWebブラウザーから操作可能だ。

ストリーミングサーバーとしてライブ・マルチキャスト/VOD配信を扱うことができ、そのスループットは80Mbpsが可能なので、イントラの中核ビデオサーバーとして利用するのに最適だ。
NFSも当然サポートしているので、ストレージの増設もNAS(ネットワークアタッチドストレージ)が利用できる。また、エンコーダーにNFSを利用できるようにすれば、直接エンコード済みのデータをサーバーに書き込むことができる。

Torrent 100に蓄えたデータは、ユーザー側から何もしなくてもWeb画面からディレクトリ名(階層)をたどってファイル名称をクリックするだけでプレーヤーを起動してビデオ再生が可能だ。
管理ページではコンテンツに接続可能なユーザーグループの管理や、コンテンツ自体の公開日、公開期間などの設定も容易に行うことができる。
これは特に学校などで先生が、生徒に向けて映像を視聴させるための仕組みに、大変有効な機能だ。

もちろんストリームをウェブ画面に組み入れることも簡単に行うことができるように考慮されている。アップルQuickTime、およびWindows Mediaのウェブ統合機能は、ハイパーリンク、およびエンベッド(埋め込むこと)で再生させるための加工処理済HTMLを簡単に生成できるので、目標となるウェブページへリンクコマンドを簡単に挿入することができる。

パフォーマンスも十分で、2Mほどの画像ファイルを何本も再生させてもしっかりと付いてきていた。
Windows Media DRMもサポートしているので、著作権の管理が必要な場合も柔軟に対応できる。

弊社でもしばらく利用させていただいたが、存在を忘れてしまうぐらい扱いの楽なサーバーとして重宝したことをお伝えしておきたい。

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