ストリーミングビデオ: 2002年6月アーカイブ

 2002年6月5日、東京国際フォーラムでは、ストリーミングビデオの歴史に残る発表がされた。商用ネットワークであるNTT東日本の「Bフレッツ」の「フレッツスクエア」から地域IP網を介して、マイクロソフト社の次期WindowsMediaテクノロジー、開発コード名「Corona」に対応したHD品質の高精細動画と、5.1chサラウンドオーディオが配信されたのだ。


StreamingMedia2002の特設ブースで公開されたHDストリーミング映像とサラウンドオーディオは、SDのテレビ放送を超える品質で来場者を驚かせていた。
実際にIP回線を通して、HD品質のストリーミングビデオが、ホームシアターをイメージした大画面プラズマディスプレイに、上映されている様子は圧巻だ。「Corona」は圧縮技術がすぐれているだけでなく、ネットワークでの情報配信に対して即時配信と常時配信を可能にしている。即時配信とは、動画再生時にバッファーが溜まるまで10~20秒待たされる現在の状態を解消して、リクエストしたらすぐに再生が始まることだ。また、常時配信とは、通信の信号が遅延したり一瞬途切れたりしても、破綻せずに再生を続けることができる機能だ。
さらに、今回の「Corona」には、オーディオの機能強化が目立っている。Windows Media Audio (WMA) Professionalでは新しいコーデックによりシアターレベルの5.1chサラウンドを実現している。新しいコーデックでは24bit/96Khzの品質を軽々とストリーミングすることができる。
「Corona」の最大の特徴はプラットフォームをパソコンに限定しないところにある。これは、携帯オーディオ機器としてWMAを利用したり、テレビに接続するSTB(セット・トップ・ボックス)などで、OSの制限を越えた利用を可能にした点だ。


すでにLinuxやiTORONなどで作動する「Corona」の存在も明らかにされている。
2002年度内に正式版を提供予定の「Corona」に期待したい。

ブロードバンドのコンテンツに高品質を期待することに無理のない環境が整ってきた。しかし、ネットワーク全体の回線環境を考えると非圧縮のデータを送ることは現実的ではない。必ず何らかの圧縮をおこなうことになる。ここで、映像と音声の品質について、特に音について考えてみたい。
パソコンで表示される映像の品質について、多少の色ずれ、画面の大きさ、コマ落ちなど、今までの経緯で許容できる範囲は多いが、音声はユーザーの許容できる限度が割りと早い。音楽を楽しむレベルの高品質はともかく、音が途切れたら会話も成立しない。話が聞き取れなければ雑音でしかない。
特に現在のライブエンコード環境での音処理はお粗末なものが多い。
現場でマイク収録した音声をPA用のラインから直接エンコードする場合、圧縮に対する準備は何もなされていない場合がほとんどだ。

「ストリーミング用データエンコードにおけるプリプロセスについて(音声編)」

ストリーミング用にデータをエンコードする場合にまず考えなければならないのがプリプロセスの工程だ。このプリプロセスの段階で高品質なストリーミングデータを生成するために条件の整った信号に変換することが重要となってきた。
RealにはRealの処理に適した信号の状態、WindowsMediaにはWindowsMediaの処理に適した信号の状態というようにそれぞれ違いがあるのだ。
一般的にエンコードデータに変換しやすい、整った状態(音声・映像ともに)というのがあるので、各社最終のエンコードデータの品質を上げるために、プリプロセスに工夫を凝らしているところだ。最近発表されたエンコーダーや定番商品の改良点は、どれもがこのプリプロセスの充実にあるといっても過言ではない。

ここでは音声データのプリプロセス、中でもLIVEエンコード主体に焦点を当てて見ようと思う。業務用エンコーダーの定番となっているPINNACLE STREAMFACTORYはプリプロセスの充実のためにHiQオプションというアドオンのボードを発表した。これはエンコーダーへの入力信号を音声・映像とも先にこのボード上でデジタル処理をして、信号を整える事によって、エンコード処理自体の負荷を軽減するためのボードだ。映像データ・音声データともに従来通り、WEBブラウザーからのコントロールで、映像のノイズの除去や音声信号のエフェクトをおこなうのだが、音声のエフェクトがとても充実している。プロセスとしては リミッター・コンプレッサー・ゲート・3バンドパラメトリックイコライザー・ローパス/ハイパスフィルターなど、音響用のマルチエフェクターもびっくりといった充実の内容なのだが、それぞれのエフェクター機能を使いこなすためには、かなり音響機器の取り扱いに関する専門知識が必要になる。また、コンピューターソフトベースの機器特有の問題だが、それぞれのエフェクトの値を変化させながら、つまりリアルタイムな反応を聞きながらのオペレートが難しいといった問題もある。


映像の調整に関しては、ノイズカットのセッティングやカラーコレクターの値などは一度設定したら通常はいちいちリアルタイムに調整することがないので問題ないが、音の場合は、変化に合わせてリアルタイムにある程度調整をおこなう必要のあるファクターが多いのでこの点は今後どのような形でLIVEでのオペレートを行うのか検討する必要がある。
音声のエフェクトといっても、リアルタイム性が必要なものと、そうでもないものに分かれるが、やはり音量のレベルはダイナミクスコントロールを行う必要性が高い。
上記のHiQオプションでもダイナミクスコントロール用のエフェクトに重点がおかれるし、自然界におけるダイナミックレンジの広さを考えれば、何らかの形でこのダイナミクスを制御しないことには、音声を記録することは出来ない。ミキサーを用いたレベルコントロールの他に、従来からの手法で、リミッターやコンプレッサー、最近ではマルチバンドコンプレッサーやピークリミッター等にパラメトリックイコライザーなどを組み合わせて用いることで、より自然に聞こえるような形でダイナミクスのコントロール方法が発達してきた。しかし、このようなコンプレッサーやリミッターを組み合わせて自然な感じにダイナミクスを制御するには経験に基づいたテクニックが重要になってくる。
そこで近年、発達してきたエフェクターに複合的なダイナミックプロセッサーがある。コンプレッサー・リミッター・レベラー等バランス良くプログラムしたエフェクターで、録音の手前の最終段や、送出の手前の最終段にインサートすることで、効果的にダイナミクスをコントロールできるエフェクターだ。


主にマスタリングに使うので、マスタリングプロセッサー等と呼ばれているようなダイナミクスコントローラーが有効なのだ。ダイナミクスコントローラーをエンコーダーの手前にインサートして、過大入力やレベルの低下を防ぎ、より良い状態のエンコードデータが生成されるようにする必要があるのだ。
またエンコーダー自体の処理の負荷を分散させるような構成での機器のセッティングが今後の負荷の多いブロードバンドLIVEエンコードを考える上で重要な要素になっていくのだ。
LIVEエンコードの場合そのソースが声であろうと音楽であろうと、マイクロフォンからの信号のエンコードが主な用途になってくるが、人間の声は録音や伝送するのにもっとも困難な題材の一つだ。レベルを一定に保ち、なおかつ明瞭な音声を提供するのはとてもテクニックのいる作業だ。声のレベルの変化に応じて、一定のレベルを保つように自動的にエフェクトして出力してくれるダイナミクスコントローラーが必要なのだ。
これまでのようなコンプレッサーやリミッター等を複合して調整するような煩雑な操作からオペレーターを開放しないと、社内コミュニケーションや議会中継などの定例放送などで、かならず運用上の問題がでてくる。

ブロードバンド対応は画質とともに、より良い音質での配信が重要になってきた。このようなダイナミクスコントローラーなど音響機器の活用を視野にいれて処理のプロセスを組み立てていくことが今後のシステムでは求められてくる。

 
NEC StreamPro


NECがブロードバンドビジネスの切り札として、ストリーミングサーバ環境の核となるソフトウェア「StreamPro」を提案した。
同社のサーバ「NEC Internet Streaming Server Express5800」と組み合わせてストリーミングソリューションのスタンダードを目指している。
最近ではNTT-BBが同システムを大規模に採用。他のExpressシリーズと絡めて、全国にわたる保守サポートが可能な点が高く評価されている。

NECでは94年からMPEG-1、2のストリーミングサーバを商品化し、当時は標準プロトコルが無かったので、独自開発の高ビットレートMpegサーバシステムを、すでに100システム以上、導入実績を持っている。
ストリームデータのMpeg-1、2では、ある特定の時間からストリームを送るのは困難とされていたが、好みのポイントから再生したり、複数のコンテンツでつなげて一つのコンテンツとして見せるなど、複雑な送り方もサポートしている。
さらに、もう一つ複雑な特殊再生の機能として、倍速、早送りイメージで見せることも出来る(Mpeg-1、2のみ)

その経験の蓄積を生かして今回発表されたのが「StreamPro/Streaming Server」 というカテゴリーの製品だ。StreamProは、映像配信事業者専用ではなく、企業内の研修、コミュニケーション用途に活用可能な幅広いニーズにこたえるシステムとして登場した。
フォーマットとしてはNECが独自に開発したMPEG-1、2、そしてMPEG-4のサーバほか、WindowsMedia、RealVideo、PacketVideoといった各社の多彩なストリーミング形式にも対応し、集中マネージメントをサポートしている。先に発表されたReal9への対応の予定も有り、Realのリセラーとして、ストリーミング業界でも重要な位置づけと考え、マネージメントシステムを含め対応していく予定だ。

ビデオ・オン・デマンド以外にも、ライブ・オン・デマンド、つまり、サーバサイドに蓄積しながらライブ配信ができ、しかもクライアントからのリクエストに答えてタイムシフト再生という過去にさかのぼって再生できる機能も提供している。

MPEGサーバとして技術的には、専用のファイルシステムを開発。OS標準のファイルシステムでは、画像データの単位が非常に大きいのでパフォーマンスが抑えられてしまうことから、専用のファイルシステムを提供している。
これによりビデオ配信に最適な単位でソフトストライピングを行う機能を独自構築した。
これによってハードウェアが持っている配信機能がフルに発揮できるよう工夫している。

StreamProの特徴はマネージメントシステムにある。
ビデオフォーマットに関係なく適用できるマネージメントシステムでは、特にインターネット上でデファクトスタンダードになりつつあるWindowsMedia、RealVideoと、Mpegという高品質、高ビットレートのクローズドなネットワークまで領域を広げている。

注目はワンタイムURL。
クライアントのプレーヤーソフトからURLをじか打ちされて視聴される現象を効果的に阻止する。
Streamproのマネージメントシステムとして、認証された人だけが、本来のURLではなくパラメータを付加した特別なURLを受け取り、そのパラメータが一回限りでエクスパイアする仕掛けを標準で提供している。もちろんユーザーの操作ミスや通信障害で、その後見られなくなるようなことは無い。URLを個々に洗い出しにかけ、今払い出したURLをサーバ側で全部管理しているので、不正な利用ができない仕組みとなっている。
もちろん認証をかけた視聴者が、自分が見るより先に誰かにURLを教えて使われてしまったら自分は見ることができなくなる。
この仕掛けの元となっているアーキテクチャが独自のMPEG-1、2、そしてMPEG-4のサーバ以外でも、WindowsMedia、RealVideoといった各社のサーバへplug-inという形で機能強化を提供している。ストリームエンジンに関しては、各社オリジナルサーバを使ってそのサーバの特色を生かし、それを統合的にPlug-Inで管理するというところに特徴がある。
クライアントから視聴要求が来ると、必ずplug-inがフックして管理システムにこの視聴を始めていいのか許可を問い合わせる仕組みだ。許可を求めるときに先ほどのURLが正しいかチェックする仕組みになっている。

今後もデファクトになりえるビデオサーバが新規に登場した場合にもplug-inという形で拡張性のあるアーキテクチャを提供するという。

ロードバランシング標準装備
さらに、Plug-inのアーキテクチャは他にも負荷を最適化する、ロードバランシング機能も提供している。
ロードバランシングとは、視聴の都度管理システムに、サーバから視聴開始の情報や、転送帯域の情報が伝達されるので、常にサーバの送信状態が監視でき、人気のあるコンテンツを複数サーバで分散配置している場合、一番付加の軽いサーバへクライアントを振ることが出来る。
さらに大規模システムにはマネージメントシステムと別オプションで、ディストリビュータシステム(製品)が機能して、ネットワーク的に一番近いサーバから送信することが出来る。各サーバの基本機能として、各サーバの配信ストリーム数と、総合的な配信帯域を計算して選ぶことができるのだ。これでセンターサーバと各地方にエッジサーバを配置するCDN(コンテンツデリバリネットワーク)を効果的に完成することが可能だ。

セキュリティマスク実装
コンテンツの視聴制限が出来るセキュリティマスク。
ISPやキャリアなど、ビデオ配信を生業とするところ以外でも、社内で特定部署にだけ視聴させたい場合などに応用できる。

詳細なログ機能
WindowsMediaや、RealVideo、Mpegさえも統一フォーマットで視聴単位のログを取れる。
このNEC独自のStreamproマネージメントシステムのアーキテクチャがコンテンツの視聴分析、課金の根拠に大きな役割を果たしているのだ。

ありがたい素材管理
コンテンツの登録、削除の際のトレース機能を標準的に装備。
うっかり消してしまったファイルの復活や、登録作業の簡素化に貢献している。

著作権管理(DRM)
オプションでDRM著作権保護、に関してNECは、実績のあるチケット販売という形で開発した利用管理の技術を応用した著作権保護商品も提供している。

専用セットトップボックス(STB)
昨年の10月イギリスのペース・マイクロ・テクノロジー社(STBメーカー)のDSL4000を検証済み。
IPベースの(イーサネットの口がある)STBを量産してるのは世界でもペース・マイクロ・テクノロジー社ぐらいだ。
現在はPCで視聴する場合が多いストリーミングビデオだが、高画質で視聴する場合は、やはりTVの大画面で見たいというお客様の要望が多くなるので、STBで対応予定だ。

ストリーミングシステムのトータルサポート
プロバイダー大手のビックグローブに、「マイ放送局」というサービスがあるのをご存知だろうか。
注目したいのが、ユーザーがエンコードしたコンテンツをサーバにアップし、かつ、見せたい人に自動的にメールまで送るコンテンツアップローダを組み合わせたインターネットレンタル放送局用パッケージ「ビデオ登録君」だが、NECはトータルで開発して商品化している。
同じ仕組みを利用して、他のISPや、社内コミュニケーションでも同様なサービスを提供できるというパッケージ、その中でストリーミングの管理システムと、ビデオ登録をセットで提供している。

今後の課題
現在は個別のソリューションとして提案しているDAM(デジタルアセットマネージメント)システムやMpeg7を基本とした検索システムなどを、今後はソリューションとして提案していく予定だ。パッケージ化は今後の展開で期待される。

ネットワークにおける映像はe-mailに次ぐ情報インフラ。
メールは文字ベースのコミュニケーション手段だが、よりニュアンスまで伝えられるコミュニケーション手段としてストリーミングビデオは多くの企業で利用する潜在的可能性が秘められている。
単にきれいな映像を見てもらうだけではなく、ビジネス的に役に立つことを前提に、良い画質を高度なサービスで高性能に提供するのが、NECのMpegサーバのコアコンピタンスと言えるだろう。



Streaming配信サーバの現状とトレンド


ビデオストリーミングを始める場合、大きく分けて2種類のシステムが考えられる。
ひとつは社内インフラでの利用で、もうひとつはインターネットでの利用だ。
社内インフラで回線が比較的整備されている場合は、ストリーミングサーバ単体でも運用可能だ。パケットの配送はIPマルチキャストプロトコルの規定に従いルーターが実行するからだ。マルチキャストストリームを配分できるルーターがあれば、社内放送で効率のよい映像配信が可能になる。
マルチキャストとは、ひとつのコンテンツを複数のユーザーで視聴することにより単一のデータストリームで配信が行えるため、大幅に回線帯域を節約することができる。つまり、思い切った高画質のストリームでも、理論的には無制限のユーザーが視聴することが可能だ。ただし、同一のコンテンツゆえ、テレビ放送のようにプログラムの開始時間が定められ、視聴者の自由にならない欠点もある。
インターネットの利用ではマルチキャストを実行できるルーターが存在するかどうか予測できないので、ユニキャストで配信することになる。
この場合、視聴者数の増加は、そのままサーバへ接続するセッション数の増加となってしまう。たとえば100kbpsの転送レートのコンテンツを1000人のユーザーが視聴すれば、サーバの接続回線は100Mbpsを食い尽くしてしまう。サーバのハードより先に回線のボトルネックが発生してしまうのだ。ちなみに、ユーザーのベストエフォートでのインターネット接続回線料金は、ADSL、FTTHなど劇的に安価になっているが、100Mほどの帯域を保障するインターネット接続はATM回線など品質管理ができる商品に限られてくる。この場合、N社の135MbpsのATMサービスなどでは、月額使用料金が2000万円を超えることを知っておく必要がある。
もっともベストエフォートで1000人~2000人のユーザーと共有する回線を、独り占めするわけだから1000倍~2000倍の料金になる計算根拠も一応理解はできる。
ただし、これほど高額になると衛星放送のほうが安価な場合がでてくるだろう。

一方、回線のボトルネックを避けるためには一定数のユーザーが存在するISPの中に、それぞれサーバをおく必要が出てくる。これはISP同士の回線帯域も限りがあるからだ。
それぞれに置かれたサーバへ同一のコンテンツを共有するようにする仕組みが、CDN(コンテンツデリバリネットワーク)と呼ばれるシステムになる。

ネットワーク負荷を分散するキャッシュシステムとして有名なのは、インフォリブリア社、ストリーミング・ファウンテン社、インクトゥミ社、ネットワークアプライアンス社など、メジャーが存在する。これらを利用して本社、支店間で効果的に社内ネットワークの構築に利用することが、高額な回線コストを抑え、回線の有効利用が図れるひとつの方法となっている。
インクトゥミ社の例では 「Server Links」 ストリーミングコンテンツのインテリジェント接続を売り物にしている。
つまり、「混んだ道は迂回すれば良い」という単純なことが難しいのだ。
データ-を運ぶパケットの通り道を示すルーティング。この基本機能を提供するルーターへ経路情報と呼ばれる設定情報をダイナミックに現状を把握し最適な内容にして管理する技術こそ、「近道で混んだ道より、遠回りでもすいた道」を選べる先読みの技術としてパフォーマンスを保証することができるのだ。
ネットワークの最もエンドユーザー寄りに位置する場所へ有効な配信サーバを配置し、コンテンツを効果的に配信しておく技術と、その状況を正確に把握できることが求められている。

コンテンツサプライヤーは、自前でCDNシステムを構築する以外には、アカマイなどのASPを利用することで、世界に13~万台を越えるキャッシュサーバーの運用による効果を、初期のシステム投資を抑えて、速攻で自社のサーバ回線環境の改善に活用することもできる時代だ。世界の映像コンテンツ配信業者の多くがアカマイを利用する理由がここにある。


映像のメタデータとインデックス検索
ビデオ・オン・デマンドの鍵を握る自動インデックスイングシステム
さて、ブロードバンドネットワークのキラーコンテンツと呼ばれる映像プログラムだが、果たしてライブ放送(テレビ)を前提としてきたビデオ素材を転用するだけですむのだろうか。
従来のビデオインフォメーションは、多くの場合VHSテープの配送で行われてきた。
このVHSテープによる方法には以下の問題点が確認されている。

■定期的に配達されてくるテープの保管場所の確保と、管理が大変。見たいときに適切なテープを探し出すことが大変。
■メッセージを特定のグループにだけ送ることが困難。誰が見るかわからないので、総花的で当たり障りのない表現になってしまう。
■タイムリーな情報発信ができない。定期発行のビデオでは時間が制約されるし、単独ではビデオテープのダビング、配送コストが馬鹿にならない。
■メッセージの効果測定ができない。誰が見てくれたか、いつ見てもらえたか、理解してもらえたかがつかめない。

サーバー・クライアントシステムでは、履歴管理や、効果測定の設問を加えることも簡単にでき、集計も自動的に行えるよう仕組むことができる。
しかも、何時でも見たいときに見ることができる。

そこで、私たちはどのように「ほしい」映像を探したらよいのだろう。
主演者?タイトルの名前?撮影現場?それとも内容の一部だろうか?何かのシーンで意味を探すのだろうか?
この疑問はそのまま逆に検索するという行為に必要な情報を意味している。
データベースに映像の情報を記録する場合、何を登録したらよいのだろう。
そこで、「何かの情報」と言う部分を映像に付随するメタデータ(属性情報)と言い換えることが重要になる。
メタデータとは、コンピュータ用語としてはポピュラーだが、映像の情報に関連が濃厚になったのは、デジタルアーカイブの必要に迫られたからに他ならない。
デジタルアーカイブには検索性能の向上が求められているのだ。
検索にはさまざまな手段が用いられるが、その対象になるインデックスがなければ検索不可能だ。実際の映像はあっても探し出すことができないからだ。

映像の管理業務に求められる機能とは、高価で時間がかかる人手に頼らず、自動的に映像の中からある特徴を探し出し、これも自動的にデータベースへ登録しておいてくれることだろう。
映像の特徴を調べるポイントになる基礎技術として、
シーンの切り替わりや、字幕の表示、色情報をもった物体の検出、物体進入の認識など、人の目であれば映像の意味や解釈などの意味情報が理解できるが、自動記録するポイントには具体的なアドレス検出(タイムコード)と何らかの言葉を併用する必要がある。
さらに、インデックスと同時にサムネール(見出し)画面も抽出しておきたいものだ。
中でもテロップの表示された画面は意味的に説明を付加したい意図のある重要なシーンである場合が多いので、テロップ検出はインデックスとして大変有効だ。
しかも、その文字を読み込み、テキスト情報として認識して検索可能なデータベースへ自動的に登録してくれる機能があれば、大いに人手がはぶける。

Four Two Two Company(http://www.ftt.co.jp)が提案する「ビデオタイムマシン」では手軽に映像の内容をテロップ文字でサーチして確認することができる。

コンピュータ画面で再生するビデオストリームの品質変化は、今年になってさらに加速して向上している。先だってRealNetworks社がRealVideo9を発表した。このバージョンの特徴は狭帯域からHDTVまで対応というところである。
音の部分ではRealAudioSurroundが発表になり、DolbyProLogic、CircleSurroundに対応している機器であればマルチチャンネルサラウンドが、再生可能になった。
放送であるテレビの品質を近いうちにネットワーク配信のパケットが追い抜くのは時間の問題だ。
昨年4月に日本SGI社、NEC社、凸版印刷社、NTTソフトウェア社などの共同出資で発足したメディア・クルーズ・ソリューション社も、On2テクノロジー社の圧縮技術を独占販売契約で武器にしている。
新しいコーデック(圧縮技術)として、On2が提供する高圧縮でありながら高品質の画像は、映像配信のビジネス的価値を実感させるものだ。



NEC Internet Streaming Server Express5800


NECがストリーミングに特化したチューニングを施したサーバソリューションがISSシリーズだ。動画はブロードバンド時代のキラーコンテンツ。このストリーム配信のプラットホームとして、ストリーミングコンテンツ作成専用エンコードサーバ(ISS/ES)、システムの機能にあわせて構成可能なジェネラルサーバ(ISS2/GS)、導入直後に配信可能なデリバリサーバ(ISS2.DS)のラインアップで導入直後から本番運用可能なオールインワンモデルのシリーズだ。
ビデオ配信は、地域コミュニケーションの新しいスタンダードとして、議会中継や、地域共同学習教材の配信、社内遠隔教育、e-ラーニングなど、積極的な導入実績が目立つ。
ストリーミングの管理に、NEC独自の機能を追加した管理ソフト「StreamPro」を標準実装するなど、ストリーミングコンテンツの作成と配信のために特化した高性能サーバに仕上がっている。

ISS2/DS、DSではCPUはIntel Xeon(1.8GHz/2.2GHz)をデュアルプロセッサ構成で搭載、
高速のマルチプロセッサー構成と、インターリーブ構成の高速メモリシステム(DDR-SDRAM)の組み合わせにより、クラス最高速のストリーミング性能を引き出している。
また、次世代I/Oバス PCI-X(64bit/100MHz)の搭載により64bitのバス幅を持ち、100MHzで動作することが可能になった。
同時にストリーミングシステムに最適なI/Oトポロジーを実装したことで、従来の汎用サーバと異なりネットワーク系とストレージ系を完全分離したI/Oバスを持つことになる。
この構成はストリーミング特有のネットワークとストレージの同時高負荷時でも競合がなく効率的にデータの読み込みと、転送処理が行えることを意味する。実にI/Oバス転送レート800MB/sを稼ぎだしている。
さらに、最新鋭のチップセット(ServerWorks社製GC-LEを搭載)することで、高速に動作するキャッシュが利用できるため、全てのI/Oバスに接続されているデバイスのリード・ライト性能を飛躍的に向上させた。これらによりストリーミング配信性能を従来の2倍に向上させているのだ。

ストレージのためのHDDも2Uの筺体に7台も搭載可能(ホットスワップ対応)で、RAID構成を組むことで配信性能は驚くほど向上する。

2系統のギガビットEtherと、1系統の100Base-TXをオンボードで搭載するなど、ネットワークでの冗長性も強化されている。

独自開発のキャプチャーボード
エンコードサーバにオプションのビデオキャプチャーボードを搭載することで、容易に高品質なストリーミングコンテンツが制作可能だ。
マルチファイルの構成や、マルチビットレートのエンコーディングはもちろん、タイムスケジュールに従ったエンコードや、Webブラウザーに表示するサムネール(JPEG)を一定時間間隔で自動生成するなど、多様な機能を可能にしている。
キャプチャーボードを2枚実装することにより、LIVEエンコードとVOD用のファイルを同時に精作成することもできる。

ストリーミング業界の有力各社との協業により実績のあるOspreyボードや、canopus社のMPEGエンコード、デコードシステムとも動作確認ができている。
つまり、STBに安価なMEDIAEDGEも使用できるので、システム構成がリーズナブルに行うことができる。

このISSとExpressシリーズの組み合わせにより、システム全体の管理を大幅に軽減することができる。NECのESMPROでシステムの運用管理が継続的に遠隔で行え、障害発生の兆候が見られると事前に通報するなど、予防保守の高度なサポートも期待できる。


Streaming Fountain VODサーバ(野村総合研究所扱い)


digitalfountain社(デジタル・ファウンテン社 http://www.digitalfountain.com)が提案するStreaming Fountain(ストリーミング・ファウンテン)は、VODサーバとして特徴的な独自技術を持っている。数学者である同社CTOの Dr.Michael Luby が考案したMeta-Content Technologyは、パケットを数学的な処理で連続配信し、それを受信したクライアント側で正確にパケットが復元できるためバックチャネルを不要にした画期的なコネクションレス転送方式だ。
従来では確認のためのコネクション(TCP)を利用し速度を犠牲にするか、信頼性を度外視した垂れ流し(UDP)でスピードを稼ぐかの通信であったが、Meta-Content Technologyでは、マルチキャストを UDP で高信頼性、プッシュ型コンテンツデリバリーシステムにできるため、一定の帯域で無限大の利用者へサービスを行うことが可能だ。
ベリファイのためのバックチャネルが不要なので、衛星放送によるデータ送信や、モバイル、PDAなどの移動体通信へのデータ転送において圧倒的な強みを持っている。
しかも、マルチキャストにもかかわらずオンデマンドでも利用できるところがMeta-Content Technologyのすぐれた特性だ。流れるパケットのどこから受信し始めても、必ず所定のコンテンツを頭から再現できるので、ユーザー側からは完全なオンデマンドサービスとして利用できる。
インターネットなど、ルーターがマルチキャスト対応を必ずしも約束されない環境ではユニキャストを利用することになる。この場合はStreaming FountainのNICにレプリケーションシステムを追加する必要があるが、HDからCPU、メモリーにいたるまでサーバの処理はNICまでは一定なので大規模のシステムに最適だ。
ダウンロード専用のソリューションとしてDownload Fountain(ダウンロード・ファウンテン)を駆使したプル型のコンテンツ配信もCDNの効率アップを支えている。
Strategic Partners であるSONY社(http://www.sony.co.jp/Products/magnacast/)ではMAGNACASTとして大規模配信事業に提供している。



NetCacheアプライアンス


Network Appliance, Inc. (ネットワーク・アプライアンス社 http://www.netapp.co.jp)が提案するCDN(コンテンツデリバリネットワーク)が、このキャッシュシステムだ。
ラック・マウント可能な NetCache アプライアンスは、サーバーサイドではなく、エンドユーザに近いネットワーク・エッジでコンテンツをキャッシュするので、冗長トラフィックを削減し、遅延や、切断などのネットワークのボトルネックを緩和、コンテンツ配信を向上させることができる。
さらに、NetCache アプライアンスは、単なる Web ページのキャッシュ以上の機能を発揮でき、ストリーミングサーバの負荷をも軽減し、ボトルネックを緩和させてサービス品質を改善できる。NetCache ソリューションは、HTTP (HyperText Transfer Protocol),FTP (File Transfer Protocol),および NNTP (Network news Transfer Protocol) といった主要な全ストリーミング・メディア形式のサポートを、1台のコンテンツ配信プラットフォームに統合することで、最大限の柔軟性を提供している。従来のネットワークをストリーミング・メディア,コンテンツ配信,ウィルス検知,そして広告挿入が可能なネットワークに転換できる。
ネットワークがリモート拠点,ISP のアクセス・ポイントから、コロケーション施設。さらにパートナー・ネットワークとの接続などと拡大するにつれて、コンテンツを管理する機能を持ったインテリジェントなネットワークが求められる。
NetCache アプライアンスで、企業,CDN,サービス・プロバイダ,コンテンツ・プロバイダは、現在のネットワーク・インフラストラクチャを、大きな投資をすることなく、冗長トラフィックを削減することで、ネットワークおよびサーバ・インフラへの負荷を軽減し、より多くのユーザーやアプリケーションに対応できるようになるだろう。

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