ノンリニア編集: 2000年5月アーカイブ

 

DC1000 & DVD1000の登場は1年以上前にさかのぼるが、日本への宣伝がほとんどされずに来た不遇の製品とも言える。

安価なDV500に比べ高額で、DV入力をオプション扱い、アナログデッキのコントロールなし。としているこの製品の位 置付けが筆者には分かりにくかったので、余り興味をもつこともなかった。最近になってY R-Y B-Yコンポーネント対応の製品DC2000が出てきて、マシンコントロールはProVTRで可能になり状況が変わってきた。

だが、DC1000/2000の本当のすごさはMPEG2のGOP構造の持ち方にあるようだ。

従来のビデオ編集で利用されるMPEG2はIフレームオンリーのものが多いが、DC1000では独自の「スマートGOP」と呼ばれるテクノロジーでIPP、 IBPフレームを扱い、リアルタイムのデュアルストリーム編集を行うことが出来る。

さらにMPEG2の情報を持ちながら4:2:2放送画質をAVIファイル形式として取り込むことも出来るので、AfterEffectsなどのソフトで加工が容易に行える。そして編集が終われば4:2:0のビデオムービーとしてMP@MLのMPEG2で保存が出来る。

重要な点はディスクメディアへのデータ変換スピードだ。

「スマートGOP」は編集可能な状態から、ディスクへ記録するMPEG2へ柔軟に変換してくれるのだ。

本来この製品ではDVDやMPEG2-CDなどのディスクプロダクションに最適な機能を提供していたのだ。もともとアメリカでは民生DVカメラよりもHI-8の方が普及していたので、このようなS-Videoを基本入力にしたMPEG2ディスク制作システムの市場は遥かに大きいに違いない。民生のVTR相手ならデッキコントロールの必要性も低い。

ビデオ編集の出力はテープへ戻すこと!を基本に眺めると違和感があったが、ディスクへ出力する専門のビデオ編集機としては秀逸の出来だ。

旧来の映像ストックをディスクメディアに置き換えようと考えた時に、必要な要素をシンプルかつ効果 的に提供してくれるのだ。

また、インタラクティブの特性を活かしたプロダクションのデモやプレゼンテーション。各種トレーニングなどの教育コンテンツ。企業内の映像ライブラリーや、学校などの映像記録メディアに、また、以前のテープメディアからの変換に。小回りの利く便利な構成になっている。

長時間ビデオテープからキャプチャーを行ってもMPEG2のファイルは、ディスクスペースに負担が少ない。ちなみに、試用で10分のビデオを標準設定の圧縮で取り込んだが、AVI形式でも2.3GBだが、MPEG2だと569MBとコンパクトだ。

1時間の素材でもAVI形式で15GB、MPEG2だと4GBにすぎない。

商品構成を見てみよう。

メインの基盤はシンプルなPCIボードで、標準のブレイクアウトボックスが利用出来る。

ビデオ編集ソフトは定番のAdobe Premire5.1を使用する。

DVDやMPEG2-CDのディスクオーサリングはMinerva Impression DVD(DVD2000ではImpression CD-Pro)を使用する。

音楽のループ編集が簡単に行えるSonic Foundry ACID Musicも標準でバンドルされる。

さて、今回の試用ではWindows2000を利用してインストールしてみた。

現在はOSの転換期でもあり、Windows98、NTと、ずいぶん迷われる方が多いだろう。

たしかに製品に標準でバンドルされるインストールCDでは、Windows2000未対応のドライバーしか入っていなかった。

まずPINNACLEサイトから最新のドライバーを落としておこう。さらにAdobe Premire5.1aもバージョン「c」にしておかないといけない。USAのAdobeサイトからアップデーターを落としておく。

忘れずにMinerva Impression DVDの2000対応バージョンも落としておこう。

インターネットに専用線で接続していない方には気の毒な大容量 のアップデーターや、バージョンアップソフトがあるので、覚悟してかかろう。

ちなみにImpression DVDの最新版をダウンロードすると35MBあった。

一般ユーザーはピナクルジャパンヘ最新のドライバーCDを要求する方が正解だろう。

基本的にドライバーは対応が出来ているようだが、各種の相性問題は自力でクリヤーしないといけない。マザーボードとの相性はBIOS設定だけでは回避できないことが多いので難問だ。筆者はTYANを使った。基本的にWindows2000は素直なOSだと思う。しかしNTベースのカーネルセットアップを多少は心得ていないと辛いかも知れない。

筆者のコンピュータ周辺機器で、CD-RがまだWindows2000に未対応なのでMPEG2- CDの制作までは確認できなかった。

DVD-Rや、DLTドライブへの書き出しはできるようだ。

DC1000のドライバーもbuild42では不安定であったがbuild44では、すっかり安定してきた。最終的にDC2000と共通 のFinalバージョンでは、すこぶる安定している。

これなら仕事に使える。

有り難いのはWindows2000ではデスクトップでアプリケーションを使わず簡単にビデオムービーファイルがプレビューできる。しかもAVI形式だとブレイクアウトボックスから通 常のビデオ再生まで行うことができる。素材のプレビューには重宝だ。

OSとしてかなり安定してきたWindows2000の上で使えるようになってきたことで、安心して仕事に利用出来る環境が整ったといえよう。

今回の試用に際して、もう一つディスク周りの実験もしてみた。

ビデオ編集で利用するハードディスクはかなりのパフォーマンスを必要とするので、筆者は常にSCSIを愛用してきたが、食べず嫌いもコストのバランスには避けがたく、ついにATA66のアレイを利用してみることにした。

FastTrack66という商品は、最新では100対応になっている。このPCIカードからEIDEのケーブルを2CHハードディスクへ連結出来る。合計4個のEIDEディスクが装着出来るが、今回は15GBを2台接続してみた。

アレイのタイプはパフォーマンス優先のストライプと、安全第一のミラーから選ぶ。

もちろんストライプだ。

このディスクはブートディスクにできるので、30GBのドライブ1個で全てを試してみた。OSのインストール時にF6を押して初期に大容量 外部記憶装置のドライバーをインストールしないと導入に失敗する。

さて、実際にビデオキャプチャーを実行してみるが、パフォーマンスは満足の行くものだった。従来の認識を改めさせられた。これなら低価格で大容量 のディスク環境が利用出来ると確信した。はっきり言って専用のコントロールボードを使った複数のEIDEアレイは、DC1000~2000のノンリニア編集におすすめです。マザーボード直はだめだよ。

再高品質(25Mbyt/s)のAVIファイルを1時間連続で取り込んでもエラーフレーム0は当たり前にしても、デュアルストリームの編集でトランゼション時にカリカリと頑張っているハードディスクに乾杯したい気分だった。

肝心のビデオ編集は、安定した動作でサクサクと実行出来る。確実なリアルタイム処理は安心出来る。FreeFX(3次元のDVE)はレンダリングが必要になるが、多才な表現が可能だ。価格相応で時間的にも我慢出来る範囲だ。

ディスク用にファイル変換して保存する際に、DVDオーサリングツールを自動的に連動して起動させることもできる。オーサリングはタイムラインにそった分かりやすい構成のクリップ配置にメニューを用意してリンクするだけの簡単操作だ。

終わればDVDをビルドするだけである。

今回はディスクイメージの作成までに留まったが、時期を見て完成してみたいと思う。

最後にDV500でも問題を指摘し、DC1000でも発生する各種設定画面 の文字ずれ(日本語OSでシステムフォントの大きさがあわない)を解消する方法を紹介しておこう。

DC1000~2000やDV500などで各種の設定画面の文字がはみだして見えないことが多いのだが、これは画面 左上からAboutを選択して、「Dialog text」チェックをはずせば、ご覧のように解決するので試してほしい。

 先月の簡単なサーバー構築はいかがでしたか?
思ったよりサーバーは素直に動いてくれたことと思う。今回はこのサーバーを中心に変わった使い方を紹介しよう。

一般的なオンデマンド送信のようにビデオ素材を加工してサーバー乗せるのではなく、変わった利用法としてノンリニア編集のプレビュー画面 をリアルタイムで閲覧してみよう。

これで編集作業の立会いをせずに遠距離(海外からでも)から、編集作業の進行を見守ることが出来る。

もちろんライブビデオのリアルタイムエンコードとWebCastも行なえるわけだから多くの用途が考えられる。

それではシステムを紹介しよう。

DPS Velocityの新バージョンドライバーでは、圧縮技術で定評のあるLigos社のテクノロジーを導入したMPAG-2へのコンバート以外にReal Video、Windows MediaなどのWebCastフォーマットへの変換も可能だ。

しかも、ライブ放送への対応も含めてリアルタイムでプレビュー画像をサーバーへ送り出すことが出来るのだ。(ご覧になりたい方はFTTまでご連絡下さい)

ポスプロのシステムとしても、事務所でネットワークにつながった各編集システムの進捗を閲覧したり、遠距離で参加できないスポンサーへのプレビューも可能になる。

さらに、ライブのカメラ映像などをラインで受けて、ノンリニアシステムのタイムラインにある映像と合成したり、テロップを挿入したものを、そのままWebCast出来てしまうのだ。

ライブ入力を行う時は、あらかじめタイムラインにライブクリップを必要な時間分設定して置く。

マウスで自由な長さを設定しておこう。

ちなみに、スタジオカメラとのやり取りなどで利用する場合、この時間は乗り移りの余裕時間と考えて、ライブの時間はタイムラインの進行を止めてしまえば、好きな時間だけライブの映像を本線に送りつづけることが出来る。

次に入力ソースを選択する。

弊社ではシステムの関係でD1-Digitalでライン入力が入るので、選択しておく。

入力ソースはコンポジット、Sビデオ、YUVコンポーネント、DV、SDIの中から選ぶことができる。

システムで構成する場合重要な外部同期は、任意の外部信号から受け取りGenLockすることが出来る。

外部入力を受け取りはじめる時には、タイムライン上でマウスの右ボタンをクリックして「Enable-Use Incoming Video」をチェックするだけだ。

簡単な操作でライブ映像とノンリニアクリップとの編集が出来てしまう。

3次元DVEなどの効果もリアルタイムで実行できるので、当然ライブ映像とタイムラインのクリップとで利用することが出来る。

それでは続いてWebCastの設定画面を見てみよう。

VelocityのMovieメニューからBroadcast Settingsを選択すると、Real Movieか、Windows Media Movieなどの方式を選択することができる。今回はReal Movieを設定する。

Settingsを押すとReal Videoの基本設定を行なう画面 が出てくる。

始めにハードウェアでサポートするオプションを見てみよう。

プロックアンプで色調の補正をしたり、画面の淵をクロップで切り取ることも出来る。もちろんリアルタイムだ。

さらにReal Videoの設定ではサーバーを先に設定した所を利用するので、IPアドレスか、DNSを設定済みならサーバー名を記入する。

サーバーの設定がデフォルトのままなら、ライブストリームは「Live.rm」で受け取ることになっている。IPのポートナンバーも4040である。

このIPのポートナンバーは聞きなれないことと思うが、同じサーバー上で複数のネットワークアプリケーションを動かすための大事な設定だ。

つまり、1台のサーバーに固定されたIPアドレスをマンションの住所と考えると、ポートは郵便受けのようなもので、違う役割の通 信を同時に効率良く行なうことが出来る。

今回のようなストリームビデオを送りこむような操作ではユーザーを限定しないと

混乱するので、登録したユーザーをパスワードで認証して行なう。

標準ではデータを送り出す方式をパフォーマンスの良いUDPで行なっているが、セキュリティのきつい企業のファイアーウォールを通 過するためにHTTPを使用することも出来る。

Velocityの扱う映像は放送規格なので、SDIの標準サイズである720*486になるが、

このままデジタルデータで眺めると横長に間延びして見えることになる。

そこで、4:3のアスペクト、320*240のサイズへ整えておこう。

次に肝心の圧縮オプションを見てみよう。

対象となるユーザーの視聴環境を回線帯域によって必要と思われるオプションを選択する。社内のLANで利用するのなら「Corporate LAN」を利用しよう。

アドバンスドセッティングでは、はじめにオーディオの圧縮を対応させるそれぞれの回線帯域でチェックしておこう

ビデオの場合も同様にチェックしておこう。

WebCastを開始するには「Movie」メニューから「Broadcast Always」を選択するだけで常時プレビューモニターに表示されている映像が、サーバーへ送られ、ネットワークへ流れていく事になる。

これだけで簡単なWebCastライブ放送システムが出来あがりだ。

ただ、このシステムを何に利用するか?は、従来の考え方だけでは生かしきれない。

ノンリニア編集だけでなく考えた場合には、RealVideoのサーバーもノンリニアシステムと同一のマシンにインストールしておけば、社内や、学校でのWebCast放送局が運用可能に成ってしまう。

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