初開催Web Video EXPO 2000

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2000年はネットワークビデオの創世期である事実を裏付けるかのように10月2日からWeb Video専門のEXPOがカリフォルニアのロングビーチで初めて開催された。ロサンゼルス郊外に位 置する海に面したロングビーチ・コンベンションセンターでは、DV EXPOとの共同開催ということもあって、多くの観客や関係者を集めて賑わった。

RealVideo:キーノートスピーチ

DV EXPOでは、デジタルカメラを中心にして、撮影を三脚に載せるだけでなく、かなり特殊な撮影機器、例えばフレームを背負って頭上からカメラを目の前に吊るすアームや、簡易クレーン等が登場している。従来までの放送スタジオ用のクレーンと違って、かなりコンパクト、簡易に使えるようになってきたのだ。カメラを移動させて撮る事に関して、色々な選択肢が広がったと言えよう。

撮影の小道具というと、ここロサンゼルスはハリウッドのすぐ横ということもあり、映画フィルム用の照明機材、レンズ前の小道具たちも紹介されていた。DV撮影に対しても有効なので、筆者も色々と展示されている逸品から、フィッシュレンズを2種類購入してきた。DVカメラで綺麗な広角を撮影できるレンズが選択肢として少ない中、大変に重宝するレンズを手に入れることができた。

さて、今回の目的であるWeb Video EXPOで注目したいのが、ポータブルのネット送出機器を始めとした、インターネットで映像を見るための道具立てがかなり充実してきた点だ。

春に行われたNAB(放送機器展)でも、アメリカの場合、放送コンテンツ映像そのものをインターネットで流すという考え方にシフトし始めてきている。

もちろん日本ではBSデジタルとハイビジョンが興味の中心だが、アメリカではHDよりも重要なのはネットワークだ、という話しを多く聞くようになってきている。

お国事情の違いとはいえ、また、日本だけのシステムスタンダードが出てきそうだ。

さて、この辺でWeb Video EXPOのキーノートスピーチから、現在の状況を探ってみたい。

画像はRealNetworks社のJeff Pancottine氏を取材した素材を使用している。

まずWebCastというのは一体どういった所から始まったのか簡単にみていこう。

ストリーミングは、ここ5年くらいの歴史しかない新しい世界で、コンピューターの静止画を見ながらネットワークから音だけが聴こえることから始まったのだ。映像の流れにしても、モデムなどの接続機器がスピードを上げるにつれてビデオの配信が始まった。最初は画面 の中の小さな映像だった。画面の大きさと画質は回線スピードに比例する。

米国ではあれよあれよという間に広帯域の回線を安価に家庭で利用できるまでになったが、日本の回線スピードは高価格のままで広帯域は庶民にはまだ縁の遠い話だ。

さらに映像そのものをネットワークで送るだけでなく、インターアクティブに色々なことをやれるように、サーバーソリューションに様々なオプションを加えてきたのだ。

例えば、野球の放送で画面の中のバックスクリーンに色々なスポンサーのロゴが入っているが、それを随時放送側の方で切り替える。これをストリーミング映像の中だけで切り替えることが可能になってきたわけだ。例えば壁に浮かんでいるピザ屋さんのロゴをクリックすると、別 のウィンドウでピザの注文画面が出てきて、「ミディアムサイズにサラミとアンチョビを乗せる」というオーダーができて、実際に宅配のピザが届く、というような連動が果 たせるわけだ。

これを支えているのがインターネットのコマースサーバー技術だ。

もう一つの流れは、HTMLといわれるホームページ上での文章の書き方、ルールが、Real Playerの中で、そのまま使えるようになってきたのだ。過去にマイクロソフトがネットスケープと競争した時、OSの中にインターネットエクスプローラーを標準装備して、コンピューターの入り口に色々な広告を仕掛ける仕組みを作ってきたが、こんどはReal Playerが、同じような路線を歩もうとしているのだ。

現在のWebブラウザーは非常に多くの情報表示というものが可能になってきた。 ホームページであればページをめくる、あるいは違うサイトに行くというリンクだが、現在ではすでに色々な映像の中で、静止画と同じようにリンクを貼れるのだ。

言葉で探す以外に映像の中からまたリンクを手繰る演出というのが可能になった。

今年の5月にReal-8が発表され、ネットワーク上での動画質をさらに向上してきた。

今のVHSの品質、言いかえれば家庭への映像納品品質といったテレビ画面 で再現されている映像とほぼ同質の映像がコンピューター画面の中で見ることができるようになってきているのだ。パソコンでDVDを再生すれば、コンピューターの画面 がNTSCテレビ画面の代用になりつつあるのが良くわかる。

画質向上の伸び率は非常に速くなってきている。ここ数年というよりは来年の早い時期にかなり綺麗な映像が簡単にコンピューターの中で再現できるようになるのではないだろうか。もちろん現時点でのビデオの映像が最終品質ではない。すぐそこにハイビジョンが目標値としてある。コンピュータ映像は、NTSCなどのテレビジョンとは違った仕組みなので、ある段階で品質がストップする訳ではなく、スペックが上がれば天井知らずに向上させていくことができる。これは家庭用のモニターでVHSを再生するという規格があるのとは違い、コンピューターでは自由に画面 の大きさ、解像度等をセットができるからだ。

アメリカの家庭でインターネットを引き込んだ私の友人の所では、お子さん3人いて、各部屋にパソコンがある。現状日本で1メガまともにNTTから引き込むと月額約百万位 かかるが、彼らは4.5メガ引き込んで月20ドルということだ。この差が何を生み出しているのか。

アメリカにおいてもインターネットのサーバー間スピードはそれ程速くはない。しかし、プロバイダ_から家庭までの回線がものすごく速くなってきている。そこで、プロバイダ_、プロバイダ_をつないだ幹線が弱い点を補う高速伝送サービス網が盛んだ。アカマイやマイクロキャストが顕著だ。既存の幹線をすっ飛ばして、プロバイダーのサーバーに対してどれだけ速く情報を送れるかをサービスしている。エッジキャッシュサーバーのような概念だ。

このようにサーバーのある所が、いわゆる地方放送局、中継局、みたいな考え方になってくるのではないか。この局からはケーブルテレビのようにインフラでスピードが1.5メガくらい配信するのが簡単だ。現状のインフラを使っても、規制さえ解除されればそれくらいのスピードはすぐに出せる。あとはコンテンツの問題だ。

先程のコンテンツプロバイダーから次のプロバイダ-のサーバーに対してデータを送るネットワークがアメリカだけではなく、どんどん世界中に拡がってきている。電波の制約を受けないインターネットは、それぞれの場所に対して同じデータを共有するエリアキャッシュサービスが民間で拡がってきているわけだ。ここで効果 的なのが実は衛星サービス。同じデータを落としていくにはシャワーの様に星から落とす方が幹線を通 すより速からだ。この代理サーバーを利用して家庭に一番近いサーバーに大容量の映像データを送り込めるわけだ。

次世代の放送番組はセットトップボックスで、欲しい、見たい映像というものをあらかじめ予約しておけば留守番ダウンロードを勝手にしておいてくれるという。それを閲覧するとペーパービューで課金再生する仕組みだ。これは、もう構造がコンピューターだ。

これからのBSやハイビジョン関係でも同じ仕組が、実はインターネットで出来る、ということになってくる。

しかもデータをインターネットで、ある時間かけてゆっくり転送しておけば、それをテレビの画面 のように綺麗に再生するのは難しいものではなくなってきている。

また、デジタルというデータは変換するということが非常に楽だ。マルチプラットフォームへの対応というものが簡単に出来る。携帯端末とか、PDA関係とか様々なモバイル端末に対して映像を送る仕組みが連動して考えられる。

実際にインターネットを利用した大規模な映像のネットワークがすでに世界中に貼られている。

従来、VHS品質といわれるテレビ品質と同じような映像データの転送レートは、初期のころではとてもディスクメディアから再生できる物ではなかった。ところが同じ品質を99年、Realの7のバージョンだと800キロくらいで実現できるようになった。今年は、4_500キロくらいの所で十分な画質がえられる。このレートは、どんどん良くなってきて、実は今の技術だと300キロくらいで実現できる。

この辺、社内のLANだとパソコン一杯の画像をコマ落ちしないように再生するというのはパソコンの能力が上がってできるようになってきた。

教育用ビデオとか社内用に運用する映像で、今までVHSで納品されてきたものに変わってビデオサーバをお客さんの社内LANに繋いであげるという時代はもうすでに来ている。

お客様の方もテレビジョンのモニターを各社員さんの前に置くというのは今後もありえない話だが、パソコンは大抵ある。パソコンの画面 に映像を呼び出すというのは社内の場合であれば現実的だ。この辺をあつかった映像関係だと、まず教育関係、学校で使われる所の教材のコンテンツという所に非常に早い時期に対応していくだろう。

Realの実装率推移だが、ものすごい勢いで伸びてきている。全米でポピュラーに利用されるソフトのアンケートと言う事だが、インターネットエクスプローラー、ワード、アウトルック、あとはアメリカンオンライン、そして次にリアルが入ってきている。

今、日本では非常に回線が高いから、小さな窓でコマ落ちの映像しかインターネットで送れない日本の現状はがあるが、ある規制が変わったとたんに状況は変わってしまう。

そうなると、いわゆるテレビ放送でチャンネルを合わせるのかコンピューターから映像を見るのか、差がなくなってきてしまうという時代がすぐそこにきている。

非常に面白い時代になったと思っている。

どんなビジネスができるんだろう、と考えていくと、かなり面 白い日本の明日が見えるのではないか。

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このページは、DreamCraft Staffが2000年10月 2日 22:03に書いたブログ記事です。

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